九大理系数学'09年後期[4]

Qは次の規則で数直線上の負でない整数の上を正の方向へ動くものとする。ただしnは負でない整数とする。
(a) 時刻0では点Qは原点にある。
(b) Qが時刻Tで座標にあるとき、時刻には確率で座標へ移動し、確率で座標へ移動する。
(c) Qが時刻Tで座標にあるとき、時刻には確率1で座標へ移動する。
Qが時刻Tで座標jにある確率をと書くことにする。以下の問いに答えよ。
(1) すべての自然数jに対してを求めよ。
(2) Tjが自然数であるとき、となる条件をTjを用いて表せ。
(3) Tが自然数であるときを求めよ。


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解答 意外と手強い確率の問題です。点Qの動きをどう見ていくか、ということで、見方によっては難問になってしまいます。特に、樹形図を描いて漸化式を立てようとすると泥沼にはまるかも知れません。
ここでは、以下のように記号の並べ方で考えることにします。
時刻
Tから時刻への点Qの動きには3通りあって、
・座標から座標への移動(確率,○で表します)
・座標から座標への移動(確率,◎で表します)
・座標から座標への移動(確率1,×で表します)
のいずれかが繰り返されるので、○と◎と×の並び方を考えることにします。
(a)より、最初は○か◎です。
(b)(c)より、○によってへ移動するので、最終回に○で終了する場合を除いて○の次には必ず×が来ます。また×によってへ移動するので、×が2回以上続くことはありません。 ・・・()
以後、
0245×68
のように、時刻Tにおける座標と時刻Tから時刻への移動を示す○,◎,×を、点Qの存在位置の座標と交互に書くようにします。
また、○と×の出現個数を
mとすると、◎(出現個数は)では座標が2進み、○あるいは×では座標が1進むので、時刻Tまでに至る座標は、
 ・・・@
になります。

(1) は時刻2までの移動の確率なので、○と◎と×のいずれかを2個並べることになります。
024 確率は、
023 確率は、
01×2 確率は、
これ以外の場合はありません。よって、
のときのときのとき
......[]

(2) 時刻Tまでに至る座標jが最大になるのは、時刻Tまでの移動がすべて◎のときで、各時刻に2ずつ座標が増えて、まで来ます。よって、となることはなく、のときです。
時刻Tまでに至る座標jが最小になるのは、時刻Tまでの移動が○か×だけになるときで、各時刻に1ずつ座標が増えて、まで来ます。よって、となることはなく、のときです。
jを満たす自然数のとき、()に注意して、○と×の個数mが、
であれば、であって、@より、時刻Tに至る座標がjとなるので、です。
よって、求める条件は、
または ......[]

(3) 時刻までで起こりうる全ての場合を書き出してみます。
0246810
0
24689
0
2467×8
0
245×68
0
23×468
0
1×2468
0
245×67
0
23×467
0
1×2467
0
23×45×6
0
1×245×6
0
1×23×46
0
1×23×45
偶数の座標に至るとき、最後の移動は◎か×で、○にはなりません。
座標
10に至るときは、全て◎で、確率は
座標
8に至るときは、◎が3回、○×の続きが1回で、確率は
座標
6に至るときは、◎が1回、○×の続きが2回で、確率は
これより、
Tが自然数であるとき、時刻Tまでに○×の続きの回数mは、を満たし、○×の続きの回数がmのとき(偶数の座標に至るとき、最後の移動が○になることはないので、必ず○×の続きで現れます)、◎は回で、時刻Tまでに至る座標は、

このとき、より、,よって、時刻Tまでに至る座標について、
時刻Tまでの並びの中に、◎と○は回現れます。
また、○×の続きを
1組として見ると、◎と‘○×'合わせて個の並べ方は、通りあります(組み合わせを参照)
 (の指数のnは◎と○の出現回数です)
(2)
より、のときには、です。
......[]


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