京大理系数学'24年前期[1]

n個の異なる色を用意する。立方体の各面にいずれかの色を塗る。各面にどの色を塗るかは同様に確からしいとする。辺を共有するどの二つの面にも異なる色が塗られる確率をとする。次の問いに答えよ。
(1) を求めよ。
(2) を求めよ。


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解答 うまい考え方を追求すれば、より良い解法があると思いますが、ここでは、試験会場でのことを考え、平凡に実戦的に具体的に考えてみます。

辺を共有するどの二つの面にも異なる色が塗られる、という条件を、条件
()とします。

(1) 立方体の各面を右図のようにAFと名前を付けます。AFBDCEは対向する面で隣り合わない面です。
・立方体の各面を、条件()に従い、ちょうど1色,またはちょうど2色で塗り分けることはできません。
・立方体の各面を、条件()に従い、ちょうど3色で塗り分ける方法の数は、
Aの色が3通り、Bの色がAで使った色以外の2通り、Cの色がABで使った色以外の残る1通り、Dの色はBと同じ色、Eの色はCと同じ色、Fの色はAと同じ色、よって(場合の数を参照)
通り
・立方体の各面を、条件()に従い、ちょうど4色で塗り分ける方法の数は、
Aの色が4通り、Bの色がAで使った色以外の3通り、Cの色がABで使った色以外の2通り、Dの色はBと同じ色を使うか、残る1色を使うかです。Eの色は、ABD以外の色になりますが、
前者の場合
(DBと同じ色)ECと同じ色か、残る1色か、で、どちらの場合もFAと同じ色です。
後者の場合
(Dは残る1)ECと同じ色、FAと同じ色です。
よって、
通り
・立方体の各面を、条件()に従い、ちょうど5色で塗り分ける方法の数は、
Aの色が5通り、Bの色がAで使った色以外の4通り、Cの色がABで使った色以外の3通り、Dの色はBと同じ色を使うか、残る2色のどちらかを使うかです。Eの色は、ABD以外の色になりますが、
前者の場合
(DBと同じ色)Eは残る2色のどちらかとなり、Fは最後に残った1色になります。
後者の場合
(Dは残る2色のどちらか)ECと同じ色を使う(このときFは残る1)か、残る1(Fは、BCDEのいずれとも異なるのでAと同じ色)かです。
よって、
通り
・立方体の各面を、条件()に従い、ちょうど6色で塗り分ける方法の数は、
通り

立方体の各面に4色のいずれかを塗る方法の数は通り(重複順列を参照)あり、その各1通りは同様に確からしい。
立方体の各面を、条件
()に従い、4色で塗り分ける方法は、
3色で塗り分ける場合、4色から3色を選んで塗り分ける方法の数が通りあり、
通り
ちょうど4色で塗り分けるのが、通り
よって
(確率を参照) ......[]

(2) 立方体の各面にn色のいずれかを塗る方法の数は通りあり、その各1通りは同様に確からしい。
立方体の各面をちょうど7色以上全て使って塗り分けることはないので、n()のいずれかで塗り分けるとき、(1)より、実際に使われる色は、3色,4色,5色,6色のいずれかです。n色から実際に塗り分けに使われる3色,4色,5色,6色を選ぶ方法の数は、通り(組み合わせを参照)なので、

 ( 順列を参照)



(
数列の極限を参照)
よって、 ......[]
使える色の数を増やすと、条件()を満たすように必ず塗り分けられるようになっていく、ということです。



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