苦学楽学塾

　Mathオブジェクトは、数学の内容を集めたオブジェクトですが、constructorはありません。直接Mathクラスのメソッド、プロパティを操作します。これを静的メソッド、静的プロパティと言います。

　Mathオブジェクトの静的プロパティの主なものは以下です。

　Math.Eは、自然対数の底(2.718･･･)です。Math.PIは、円周率(3.14･･･)です。Math.LN2は、2の自然対数(0.693･･･)です。

　Mathオブジェクトの静的メソッドの主なものを以下に挙げます。

　Math.abs(x)は、xの絶対値です。Math.acos(x)は、xの逆余弦(cosの逆関数)です。Math.acosh(x)は、xの双曲線逆余弦です。Math.asin(x)はxの逆正弦です。Math.asinh(x)は、xの双曲線逆正弦です。Math.atan(x)は、xの逆正接です。Math.atanh(x)は、xの双曲線逆正接です。Math.cbrt(x)は、xの3乗根です。Math.cos(x)は、xの余弦です。Math.cosh(x)は、xの双曲線余弦です。Math.exp(x)は、xの自然対数の底Math.Eを底とする指数関数の値です。Math.floor(x)は、xを超えない最大の整数です。Math.log(x)は、xの自然対数です。Math.log10(x)は、xの常用対数です。Math.max(x, y, ･･･)は、引数並びの数値の最大値です。Math.min(x, y, ･･･)は、引数並びの数値の最小値です。Math.pow(x, y)は、xのy乗です。Math.random()は、0以上1未満の乱数を発生します。Math.round(x)は、xを四捨五入した値です。Math.sin(x)は、xの正弦です。Math.sqrt(x)は、xの平方根です。Math.tan(x)は、xの正接です。Math.tanhx(x)は、xの双曲線正接です。Math.trunc(x)は、xの小数点以下を切り捨てた整数です。

　Mathオブジェクトでは、倍精度8バイト浮動小数点数値(1ビットの符号、11ビットの指数、52ビットの仮数から成ります)を扱うことに注意が必要です。仮数として扱える対象の数値は、－9,007,199,254,740,991～9,007,199,254,740,991の範囲の数値で、これを超えるとInfinityで置き換えられます。表示上2となっていても内部的には2.0と微妙ににずれている場合を想定する必要があります。上記のメソッドでは、整数を返す場合は原則小数点以下を切り捨てます。また、undefinedにメソッドを作用させるとNaNとして扱います。nullは0として扱われます。文字列は数値に変換しますが、変換不能な場合は、NaNを返します。

	苦学楽学塾
	－Mathオブジェクト－