東北大理系数学'08年前期[1]
多項式について、次の条件(i),(ii),(iii)を考える。
このとき、以下の問いに答えよ。
(1) 条件(i)をみたす多項式の次数は4以下であることを示せ。
(2) 条件(i),(ii),(iii)をすべてみたす多項式を求めよ。
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解答 多項式というのは、文字をかけ合わせたり足し合わせたりしてできる式であって、「次数」は文字を何個かけているか、という数、つまり、0以上の整数になります。単に“多項式”と言う場合は、各項で文字を2個かけているので、2次の多項式ですが、“”と言う場合は、xに着目しているので、の中にという項があるときには、かけれらているxの個数の4を次数とします。
(1) nを0以上の整数とし、の中にn次の項があって、が含まれるとします。こののxにを代入すると、の中にが出てきます。また、にはという項が出てきます。 がxの多項式であるためには、内の各項のxの指数は0以上の整数でなければなりません。
∴ 即ち、には4次までの項しか含まれないので、の次数は4以下です。
(2) (1)よりは4次の多項式なので、 とおけます。
条件(i)より、
これが恒等式となるために、
, ・・・@ これと、条件(iii)より、
∴ ・・・A
条件(ii)において、とすると、
@より、 ・・・B
Aに代入して、 ・・・C
条件(ii)において、とすると、
@,B,Cより、 ∴ ∴ Cより、
@より、
これらとBより、 ・・・D
このは、 より、条件(ii)をみたします。
......[答]
追記.上記のDでは求まるのですが、ここで即、「答え」とやってはいけません。
上記では、条件(i)についてはすべてのx,(iii)についてはの場合について確認できていますが、条件(ii)は、そうではありません。bを求めるために、条件(ii)において、,としてみただけで、他のxの値について、本当にが満たされるのか、確認されていないのです。
言い換えると、条件(ii)をみたすための必要条件が“”となった(条件(ii)⇒“”)だけであって、“”が条件(ii)のための十分条件であること(“”⇒条件(ii))が確認されていません。そこで、D以下で実際にを計算して確認する必要がありました。
必要性、十分性は、センター試験の頻出テーマですが、理解不十分なために、センター試験会場で鉛筆を倒して解答した、という話をよく聞きます。
「必要条件」というのは、要求を満たすために最低限必要な条件(ゆるい条件)であり、「十分条件」というのは、これであれば要求は完全に満たされるという条件(厳しい条件)です。
「必要条件」を求めただけでは、得られた答が全部条件に適しているか怪しい、「十分条件」を求めただけでは、得られた答は確かに条件を満たすが他にも答があるかも知れない、と思うようにしましょう。「必要十分条件」を求める、ということは、これらの答はすべて要求を満たしていて、他には答はない、という解答を求める、ということです。
「必要条件」、「十分条件」という言葉の意味をしっかり理解しておきましょう。なお、条件・命題を参照してください。
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