東北大理系数学'10年後期[1]
nを2以上の自然数とする。は,を満たす実数とする。はを任意に並べ替えたものとするとき、
が成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどのようなときか答えよ。
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解答 数学的帰納法に持ち込む部分に一工夫必要な問題です。なお、'87年東大理系[5]で、,としてを証明する問題が出題されています。
(T) のとき、 (ii) ,のときには、 (i),(ii)より、
与不等式は成り立ち、等号成立は、(i)より、 ()のときです。 (U) のとき、与不等式が成り立つと仮定します。つまり、 ・・・@ が成り立ち、また、等号成立は、 ()のとき、と仮定します。 (i) のとき、 @の両辺に、を加えることにより、 ・・・A が成り立ち、等号成立は、 ()のときです。 (ii) @のm項からなる数列においてであったものを、新たに, (j,kは、,,を満たす整数)として得られる、項から成る数列を考えます。これで、,,となる任意の数列を構成することができます。 として、@の両辺に、 を加えると、右辺は、の第k項目を元のから、新たな数列の項を使ってできるに入れ替え、さらにを付加することになるので、をとなる項を除いた和だとして、 ・・・B (@の数列とBの数列は第k項目が異なることに注意してください) 以上より、
・・・C ここで、仮定により、
Cの残りの部分は、
よって、Cより、
(i),(ii)より、
が成り立ち、等号成立は、 ()のときです。
よって、のときにも与不等式は成立します。 (T),(U)より、2以上の自然数に対して、
が成り立ちます。また、等号は、 () ......[答] のときに成立します。
⇔ ・・・D です。
がを任意に並べ替えたものとするとき、を2個ずつ選んで大きい順になるように並べ替えていくと、有限回(高々回)の並べ替えでになります。
そこで、のうちの2個, (j,kは、を満たす整数)を選んで、であれば、,,であれば、,,他の (iは、,,を満たす整数)については、となるようにして、新たなを作ると、 となることから、Dが言えます。
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