東工大数学'08年後期[1]
次の問いに答えよ。
をみたしているとする。このときであることを証明せよ。 (2) nを2以上の整数とし、個の実数,,・・・,,,,・・・,,,,・・・,が およびn個の不等式
() をみたしているならば、
であることを証明せよ。
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解答
(1) ・・・@ ・・・A
・・・B @よりなので、Aより、
@よりなので、
両辺にを加えると、Bより、
(2) 数学的帰納法だろうということはうすうす察しがつきますが、なかなか帰納法の枠組みが見えません。そこで、の場合を考えて、からへの論理の進み具合を調べてみます。のときには、 の4式から、を導くことになります。
帰納法にすることを考えて、のときの結果:を利用することになりますが、@,A,Bは、のときの仮定と同じなので、当然、は成り立ちます。(1)と同様にするのであれば、を利用して、 ・・・D ここで、(1)と同様にAによってが言えているので、
こうして、
Dとつなげて各辺にを加えれば、 (∵ C) ∴ より、
∴ となります。
一般のnの場合に数学的帰納法の枠組みに乗せるためには、のときに、 とするために、のときの、を利用すればよいわけです。ここからさらに、 とするためには、のときの、を利用します。
以下、,・・・,のときの結果を使うので、数学的帰納法の仮定は、「のとき成立すると仮定する」という形になります。
こうして、答案を以下のようにまとめることができるでしょう。数学的帰納法により証明する。 (T) のときは、(1)により成り立つ。 (U) のときに成り立つと仮定する。即ち、 個の実数,,・・・,,,,・・・,,,,・・・,が ・・・@ およびk個の不等式
() ・・・A をみたしているならば、
() ・・・B が成立する(Bの各不等式はAがあってはじめて成立します)と仮定する。
ここで、Aのの場合の不等式と@より、 ・・・C
また、@,Aに加えて、3個の実数,,が をみたすとする。
(∵ @,および、Bのの場合) ・・・・・・
(∵ @,および、Bのの場合) (∵ D) (T),(U)より、2以上の整数nについて成立する。 (証明終)
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