常用対数   関連問題


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10を底とする対数常用対数と言います。
常用対数は、国家予算とか、日本の人口とか、太陽と地球との距離、というような、非常に大きな数、あるいは、原子・分子の大きさ、ウィルスの大きさといった非常に小さな数を扱うときに利用する道具です。
日本の国土の総面積は、
377976.41(2020)ですが、ぱっと見ただけでは、どれくらいの面積かピンときません。そこで、377976.41を、と書くようにします。これで、10万平方キロの3.8倍くらいだ、ということが、ぱっと見ただけでわかります。
統計データや、理科の観測データを、
() という形に表すときに、常用対数を利用すると、 ()となります。の整数部分がb (つまりの整数部分の桁数より1小さい数),小数部分がになります。
日本の国土の総面積の場合、ですが、の整数部分の
51を加えた6が、日本の国土の総面積の整数部分の桁数です。の小数部分の0.57746470は、対数表を見れば真数は、3.7797641であることがわかります。

100万円の資金があったとして、これを30年物の国債で運用したとします。実際には、半年ごとに償還されるので、得られる利益は複雑な計算式になりますが、単純に銀行の複利のように考えて、2020年初めの低利率0.40%30年でどれくらいの金額になるかを考えてみると、100万円の、倍になります。
と言われてもピンときません。そこで、常用対数を考えるのです。

 
対数表で、対数の値が
0.0519となる真数を求めると、1.127です。つまり、です。
100万円の資金を30年物の国債で運用しても、30年後に、1.127倍の1127千円にしかならない、ということです。これでは、あまりうまみはありませんね。
そこで、利率の高かった
1990年初めの10年物の利率5.7%だと10年でどれくらいの金額になるかを考えると、100万円の、倍になります。常用対数を考えると、

 
対数表で、対数の値が
0.240となる真数を求めると、1.738です。つまり、です。
これだと、
100万円の資金が10年で1.738倍の1738千円になります。これはかなりおいしい話です。ちなみに2020年初めの10年物だと、利率は−0.025%なので、10年物国債を買うより、現金で持っていた方がマシということになってしまいます。

対数の概数値を与えて、だいたいの数を推測させるという問題があります。

が与えられていれば、

となるので、概算値を
1桁の精度で求めることができます。
例えば、の概算値を求めよ、という問題の場合には、

となるので、小数部分の
0.804が対数の値となる真数をxとすると、

となるので、です。
の桁数は、の整数部分の
331を加えた34になります。

つまり、は、最高位の数字が
6で、34桁の数だということがわかります。


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