行列の対角化   関連問題


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2次正方行列2つのベクトルにかけられて、
 ・・・@
 ・・・A
という
2式ができたとします。
この
2式を1つの式にまとめる、という技巧があります。

という行列の積の計算をよく眺めると、
 ・・・B
という形をしていることがわかります。

同様に、
2次正方行列と、2つの実数2つのベクトルがあるときに、


という
2つの式をBを用いて1つにまとめることを考えます。

と書けるので、
 ・・・C
と書くことができます。


n次正方行列Aが、相異なる固有値,・・・,をもち、固有値,・・・,に対応する固有ベクトルが,・・・,だとすると、
,・・・,
が成り立ちます。これらについても、Cと全く同様にして、行列を用いて
1つにまとめて表すことができます。
 ・・・D
行列
Aの固有ベクトル,・・・,を横に並べてできる行列をとすると、,・・・,1次独立(固有値・固有ベクトルを参照)なので、Pは逆行列をもちます。Dは、Pを用いて、

と書くことができます。ここで、を左からかけると、

つまり、
n次正方行列Aが相異なる固有値をもつときに、固有ベクトルを横に並べてできる行列をPとして、Aの左からをかけ、Aの右からPをかけると、固有値が対角成分となりそれ以外の成分はすべて0であるような行列になります。この操作を行列の対角化と言います。
注.実は、固有方程式:
l重解をもつ場合であっても、固有値に対応する固有ベクトルがl個ある場合には、行列Aを対角化することができます。このときには、固有ベクトルを横に並べた行列をPとして、Aを対角化すると、のように、対角成分にl個並びます。
固有方程式:
l重解をもつ場合、固有値に対応する固有ベクトルがl個未満の場合には、行列Aを対角化することはできず、類似の操作を行うと、Jordanの標準形と呼ばれる形になります。
2次正方行列の場合では、固有方程式が重解をもつと、に対する固有ベクトルは1つしか存在せず、対角化することはできません。

1を対角化する。
固有方程式は、より、


のとき、

例えば、
固有値
2に対応する固有ベクトルは、tを実数として、
のとき、

例えば、
固有値
3に対応する固有ベクトルは、sを実数として、
よって、とすると、


2は、固有方程式が重解をもち対角化できない。
固有方程式は、
 

のとき、

例えば、
固有値に対応する固有ベクトルは、
tを実数として、
これ以外に固有ベクトルはありません。そこで、
となるベクトルを考えます。


例えば、
を固有ベクトルの代用として、を考えます。

この形は、対角成分に固有値が重解なので
2個並び、固有値が並んだ右側に1が来ている形で、Jordanの標準形と言われています。
なぜこういう形になるかと言うと、として、
1つにまとめて書くと、

となるからです。
のようにとるのは、とするためです。

3を対角化する。
固有方程式は、
 

のとき、

これを満たすのは、例えば、,または、
よって、固有値
1に対応する固有ベクトルは、
のとき、

これを満たすのは、例えば、
よって、固有値
2に対応する固有ベクトルは、
とすると、

 



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