固有値・固有ベクトル   関連問題


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この項目は、逆行列行列と連立1次方程式を参照してください。
正方行列
Aに対して、連立方程式: が、以外の解をもつときのkの値を、行列A固有値と言う。また、そのkの値に対するを、固有値kに対する固有ベクトルと言う。
行列
Aの固有値kは、方程式:の解として求められる。この方程式を固有方程式と言う。

は、ベクトルに行列
Aをかけたものが、もとのベクトルと平行になるということを意味しています。
右辺を、として左辺に移項すると、

ここで、が存在するとして、左からかけると、


となるので、は存在せず、
 
(逆行列(その3)を参照)
A
n次正方行列だとして、固有方程式を、成分を入れて書くと、
固有方程式は、という項を含むので、
kについてn次方程式になります。
従って、
n次方程式の解である、n次正方行列の固有値は、最大でn個あることになります。

固有方程式において、という項は、という項からしか出てきません。
これを展開して、の係数が
1になるように書くと、

という形になります。このときに出てくる、行列
Aの対角成分の和:を行列Aの対角和と言い、と表します。また、固有方程式の定数項は、としたもの、つまり、に一致します。従って、固有方程式は、
 ・・・@
という形をしています。

大学入試で登場する固有方程式のほとんどは
2次の正方行列に関するものです。の場合、固有方程式は、

 
 
となり、@の形をしています。

例.のとき、
()を満たす実数k (固有値)とベクトル (固有ベクトル)を求める。
[解答] 
 
 
......[]
行列Aの固有値は23です。
のとき、

例えば、
固有値
2に対応する固有ベクトルは、tを実数として、
のとき、

例えば、
固有値
3に対応する固有ベクトルは、sを実数として、
求めるは、のとき、のとき、
......[]
行列Aには、固有の方向が、の方向との方向の2つあって、と平行なベクトルにAをかけると2倍され、と平行なベクトルにAをかけると3倍される、ということを言っています。

なお、
n次正方行列Aの異なる固有値に対する固有ベクトル,・・・は1次独立です。なぜなら、あるij ()をとり、異なる固有値に対する固有ベクトルについて、 (pは実数)と書けたとすると、より、

という
2通りの式が書けてしまい、辺々引くと、
より、となって、異なる固有値とした仮定と矛盾するからです。
従って、
n次正方行列Aの異なる固有値に対するn個の固有ベクトル(が、存在したとして)を並べて作った行列:という形の行列を作ると、Pは正則(逆行列が存在する)です。なぜなら、固有ベクトルは零ベクトルでなく、行列式の性質より、 (pは実数)と書けなければ、だからです。


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