行列と連立1次方程式 関連問題
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この項目は、行列、行列の積、逆行列を参照してください。
連立1次方程式:
を行列,,を用いて表すと、
この行列Aを連立方程式の係数行列と言います。
が存在するとき、つまり、であるとき、解は、
2元連立1次方程式を考えます。上記のように行列を用いて、
と表されているとき、が存在するなら、両辺に左からをかけて、
∴
これで、連立方程式の解が求められます。
例1.
行列を用いて、
∴ , ......[答]
2元連立1次方程式の場合、行列を用いるよりも、普通に1文字消去して求める方が速いかも知れませんが、100元連立1次方程式、1億元連立1次方程式といった方程式を計算機で解かせることまで考えると、2元連立1次方程式を行列で扱うことにより有用な知見が得られるのです。
,,として、が存在しないとき、つまり、のときについて考えてみます。
但し、方程式として意味をもつように、a,bは同時に0ではなく、c,dは同時に0ではないことにします。
のとき、
(i) だとすると、なので、,また、です。
このときは、連立方程式は、,となり、のときには、直線上のすべての点の座標が解となり、のときには解は存在しません。
(ii) のとき、とおくと、
∴
このときは、連立方程式は、,となり、のときには、直線上のすべての点の座標が解となり、のときには解は存在しません。
以上で、(i)ののとき、(ii)ののときには、,は同一の直線を表しており、直線上の点の座標はすべて解となります。このときには、連立方程式の解は無数にあることになり、連立方程式は「不定」であると言います。
(i)ののとき、(ii)ののときには、,は、異なる平行2直線を表しており、平行2直線は交点を持たないので、連立方程式の解は存在しません。このときには、連立方程式は「不能」であると言います。
例2.連立方程式: の解が、実数aの値によってどのように変わるかを調べる。
[解答] 係数行列は、
よって、,即ち、 かつ のときには、ただ1組の解をもつ。
のときには、連立方程式は、ともに、となり、直線:上のすべての点の座標が解となり、解は無数にある。
のときには、連立方程式は、,となり、異なる平行2直線を表すので、解は存在しない。
例3.連立方程式: が、以外にも解を持つようにkの値を定める。
[解答] ,とすると、連立方程式は、 ・・・@ と書けます。
を左辺に移項して、 (Eは2次の単位行列)と見ると、
・・・A
ここで、が逆行列をもつとすると、Aの左からかけて、
∴
これでは、連立方程式の解が、だけになってしまいます。従って、は存在しません。つまり、です。
∴
∴ ......[答]
3元以上の連立1次方程式については、基本変形を参照してください。
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