逆行列(その3)
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逆行列(その2)のつづきです
(6) 偶順列、奇順列には、偶順列と偶順列、奇順列と奇順列をかけると偶順列となり、偶順列と奇順列、奇順列と偶順列をかけると奇順列になる、という性質があります。従って、に属する2つの要素σ,τがある場合、
よって、行列Aの列を入れ替えてとなる場合、列の入れ替えを表す順列をτとして、
であり、Σのでの要素すべてをとるので、を新たにσと書いてのすべての要素について足し合わせることにすれば、
(4)より、行列式では、列について成り立つことは行についても成り立つので、行列Aの行を入れ替えてとなる場合、行列Aの行の入れ替えを表す順列をτとして、
特に、行列Aの第j行と第k行を入れ替えてとなる場合、τは奇順列になるので、より、となります。
(7) 行列Aの第j行と第k行が完全に一致していた場合、第j行と第k行を入れ替えてとなっても、,です。
ですが、このとき(6)より、
∴
つまり、行列Aの中に、完全に一致する複数の行があるときには、行列式の値は0です。
例えば、 (第1行と第3行が一致)
(8) 行列Aの第j行に第k行を加えたものをとして、
(なぜなら、第2項の行列式は、第j行と第k行が一致していて0)
つまり、行列Aの第j行に第k行の定数倍を加えても、行列式の値は変化しません。
(9) 2つの行列A,Bの成分を,として、行列の積の行列式は、
この第1行は、(5)において、がとなった形をしているので、次のように書き直せます。
第2行も同様にして、(5)において、がとなった形をしているので、
以下、第n行まですべて書き直すと、
・・・@
については、の中に同じ番号が出てくると、第1行から第n行の中に、完全に一致する複数の行を含むことになり、(7)より行列式の値は0になります。従って、@のΣで、行列式の値が0でなく生き残るのは、がすべて異なる数になる場合のところだけです。n個の数字がすべて異なる場合、は、を並べ替えた順列であっての要素です。
は、の行を入れ替えた行列式なので、として、(6)より、
@に代入すると、k,l,mのΣの中で生き残っているのが、がの要素となるところだけであることに注意すると、Σはのすべての要素についてだけとればよく、
積の行列式は、行列式の積です。
(10) n次正方行列Aの成分をとします。また、行列Aの第i行と第j列を取り除いてできる次正方行列の行列式にをかけたものを行列Aの第余因子と言います。
行列Aの第k行を第行と入れ替え、さらに、第行と入れ替え、ということをして、最後に、第1行を入れ替えるとします。
この並べ替え操作σは、kが奇数なら偶順列、kが偶数なら奇順列になります。
・・・A
行列式の定義(*)から、この第1行をいくつかの行列の和と考えることにより、
この後、第1行が0でない要素を含む列を、行の入れ替えと同様にして、第1列まで移します。第l列を第1列まで入れ替えてゆくと、行列式にがかかります。
∴ ・・・B
これを、行列式の第k行に関する展開と言います。
例.では、上記において、,とすると、
では、上記(*)において、,とすると、
(11) (10)B式でのkがi (,)だったとしてみます。これはA式でkをiに変えてみると、A式右辺で第1行と第j行が全く一致していることを意味するので、Aの行列式の値は0になります。
つまり、のとき、
これとBを合わせて、
を成分とする行列(余因子行列と言います。右辺と左辺でjとkの並びが入れ替わっていることに注意してください)を考えると、
余因子行列をB,n次の単位行列をEとすると、
つまり、である場合には、行列Aは逆行列をもち、
よって、n次正方行列Aの逆行列は、Aの余因子行列をAの行列式で割ったもの、ということになります。
また、n次正方行列Aにおいても、Aが正則(逆行列をもつ) ⇔
例.の余因子行列は、
よって、
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