名市大経済数学'08年[4]
正の数xに対して、三辺の長さが
で与えられる三角形ABCを考える。次の問いに答えよ。
(1) のとき、三角形ABCが存在するようなkの値の範囲を求めよ。 (2) 任意の正の数tに対して不等式
・・・@ および
・・・A が成立することを示せ。ただし、Aを証明する際に@を利用してよい。
(3) (2)の結果を利用して、任意の正の数xに対して三角形ABCが存在するようなkの値の範囲を求めよ。
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解答 センター試験を意識して、相加平均・相乗平均の関係の利用法を考えてみましょう。(2)は、「Aを証明する際に@を利用してよい」というヒントがないと、まごつくかも知れません。
(1) のとき、 なので、三角形ABCが存在する条件(2辺の和>他の1辺)は、 ・・・B かつ
・・・C です。Bより、
Cより、
以上より、
......[答]
(2) 相加平均・相乗平均の関係より、
・・・D 不等号の等号は、,つまり、のときに成立します。
相加平均・相乗平均の関係より、 ・・・E 不等号の等号は、,つまり、のときに成立します。
D,Eを辺々加えることにより、 (不等号の等号はのときに成立) 不等式@が成立します。また、これより、
・・・F 右辺は、
ですが、左辺は、
よって、Fより、
(不等号の等号はのときに成立) 不等式Aが成立します。
注.D−Eとしても、不等式Aを示すことはできません。
は成り立たないからです。,,,のときを考えてください。
もちろん、 も言えません。,,,のときを考えてください。
また、上記では、D+Eを作ることによって、不等式@を導いたのですが、これができたのは、DとEの等号成立条件が同じだからです。同じでなければ、D+Eから@を導くことはできません。例えば、のとき、相加平均・相乗平均の関係より、 ・・・(a) ですが、だからと言って、
・・・(b) ・・・(c) の2式を辺々加え合わせて、
() としても、(a)は導けないのです。
なぜかと言うと、(b)の等号成立条件は、,つまり、(c)の等号成立条件は、,つまり、
で等号成立条件が異なるからです。
(3) より、なので、三角形ABCが存在する条件は、 ・・・G かつ
・・・H です。Gより、
この不等式の右辺は(2)より以下なので、 であれば、Gは、任意の正の数xについて成り立ちます。
Hより、
この不等式の右辺は(2)より以上なので、 であれば、Hは、任意の正の数xについて成り立ちます。
以上より、任意の正の数xに対して三角形ABCが存在するようなkの値の範囲は、
......[答]
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