京大理系数学'99年前期[5]

以下の問いに答えよ。ただし、が無理数であることは使ってよい。
(1) 有理数pqrについて、ならば、であることを示せ。
(2) 実数係数の2次式
について、のいずれかは無理数であることを示せ。


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解答 難関大学でよく見かける、背理法を用いる論証の問題です。
(2)では、abが「実数」となっていることに注意しましょう。ABが実数の場合には、
とは言えないので注意してください。

まず、命題
()
が無理数のとき、有理数ABが、
を満たすとき、
が成り立つことを証明しておきます。
と仮定すると、

となり、右辺は有理数で、無理数と有理数が等しいという不合理が起きます。よって、であり、ならです。

(1)  ・・・@
2乗して、

は有理数なので、命題()により、
よって、pqのどちらかは0です。
(i) のとき、
@より、
をかけて、
rは有理数なので、命題()により、
つまり、です。
(ii) のとき、
@より、
qrは有理数なので、命題()により、
以上より、有理数pqrについて、ならば、

(2) がすべて有理数であると仮定します。cdeを有理数として、
 ・・・A

 ・・・B
 ・・・C
実数abを残していると、命題(),あるいは、(1)の結果が利用できないので、abcdeで表すことを考えます。そのために、AとCをabに関する連立方程式と見て解きます。
C−Aより、
 (分母を有理化した)
Aより、
これらをBに代入すると、


をかけて、
(1)の結果を使うと、は有理数なので、
これより、
かつ
という矛盾が起きます。
よって、がすべて有理数である、とした仮定は誤りで、
のいずれかは無理数です。


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