ドップラー効果 関連問題
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互いに近づきつつあったり、遠ざかりつつあるような2物体があるとき、一方が発する音を他方が聞くと、本来の振動数とは異なる振動数の音が聞こえる。この現象をドップラー効果と言う。
音速をVとし、速さvで観測者に近づいてくる音源の発する振動数の音を、速さuで音源に近づく観測者が聞くとき、振動数f で観測されたとすると、
(*) が成り立つ。
ドップラー効果は、教科書や参考書に、音源だけが動く場合、観測者だけが動く場合、音源と観測者ともに動く場合、音源が近づく場合・遠ざかる場合、観測者が近づく場合・遠ざかる場合、これらを場合分けして、ドップラー効果の式を、あたかも暗記せよとでも言いたげにバラバラに書いていることが多いのですが、間違っても、これらのドップラー効果の公式を場合分けして暗記しようなどと思わないでください(英単語100個覚える方が遙かに有益です)。場合分けせずに、上記の(*)だけ一つを理解するように努めてください。ドップラー効果がどうして起きるのか、ということを理解するのが物理学であって、公式を片っ端から記憶しまくるのは物理学ではないのです。
ドップラー効果の公式は覚えにくいので、以下のように理解しておくとよいと思います。
波長に関する公式と振動数に関する公式を両方覚えようとすると混乱します。上記の振動数に関する公式(*)の成り立ちのみを覚えて、波の公式によって、波長の関係を考えるようにしましょう。
その際、
(a) 音源が動くときには、波の間隔が詰まったり離れたりするので、波長が変化しますが、音は音源から出てしまえば空気の状態で速度が決まるので、音速は音源の移動には無関係
(b) 観測者が動くときには、空間を漂っている波の間隔、つまり波長は観測者の移動には無関係で、音速は観測者との相対速度で決まるので変化する
ということを理解しておくとよいでしょう。
上記に書いた振動数の公式では、分母に音源の速さvが入ることを必ず覚えてください。これが覚えられていれば、観測者の速さuは必然的に分子に入ります。
音速と、音源、観測者の速さとの間の符号は、参考書の逐一の場合の式を暗記せずに、以下のように、各問題を解く時点で考えてください。
(i) 音源が近づくときは、
高い音になります。高い音ということは
振動数の大きな音だということです。となるためには、Vとvの間の符号はマイナスでなければなりません。となります。 (ii) 観測者が近づくときは、
高い音になります。
となるために、
Vとuの間の符号はプラスになります。となります。 (iii) 音源が遠ざかるときには、
低い音になります。低い音ということは
振動数の小さな音だということです。となるためには、Vとvの間の符号はプラスでなければなりません。となります。 (iv) 観測者が遠ざかるときには、
低い音になります。
となるために、
Vとuの間の符号はマイナスになります。となります。 (v) 観測者と音源がともに動く場合には、(i)〜(iv)を組み合わせて考えます。音源が観測者に近づき、観測者が遠ざかるときは、(i)と(iv)を組み合わせて考えます。となります。
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