信州大工物理'08年[3]
図のように、片側が可動のピストンで閉じられた閉管の管口付近に音源を置く。ピストンを動かすことにより、気柱の長さを変えることができる。気柱の開口端補正は無視できるものとして、以下の問いに答えよ。ただし、設問(b)〜(d)では、主な式や説明をつけて記せ。また、気柱内の音速はとする。
(a) 次の文章の空欄に入る適当な語句または式を記せ。
の場合を考える。音源の周波数を調整すると、気柱内で共鳴が起きた。このとき、開口端は定常波の ア となり、閉端は イ となる。また、共鳴波長λは、nを正の整数とすると、λ= ウ と表せる。共鳴周波数は、nを用いてf = エ と表せる。音源の周波数を増加させる場合、ある共鳴周波数と次の共鳴周波数の周波数差は、= オ で表せる。 エ , オ の答えはn以外の文字を用いてよい。 (b) 音源の周波数をとする。ピストンを一定速度で引きLを長くしていくと、一定の時間間隔で共鳴が確認できた。このときの時間間隔を求めよ。ただし、uは音速に比べて十分に小さいものとする。 (c)(i) 音源の周波数をとし、Lを0からまでゆっくり変化させたところ、共鳴が12回確認できた。周波数の範囲を求めよ。 (ii) 音源の周波数を下げ、にしたところ、のとき共鳴が起きた。の値を求めよ。 (d) の位置にピストンを固定する。音源の周波数をから、毎秒の一定の割合で増加させる。周波数の増加開始時刻から、の間におきる共鳴について、共鳴がおきた時刻とそのときの共鳴周波数をすべて求めよ。ただし、t は小数点以下2桁で求めよ。
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解答 物理の問題というよりも計算の問題、という側面が強い気がします。
(a) 右図のように、一端閉管の開口端は、空気分子が激しく振動できるので、定常波の腹となります。
(ア) 腹 ......[答]
閉端は、空気分子が振動できないので、定常波の節となります。
(イ) 節 ......[答]
(ウ) 気柱の長さは、開口端補正を無視するので、右図のように波長の奇数倍になります。 ∴ ......[答] (エ) 波の公式より、 ......[答] (オ) nが1つ違うときのfの差を求めます。
......[答]
(b) 気柱に共鳴が起きるとき開口端は腹、閉端は節になるので、は、右図のように、節から節までの長さ、つまり半波長に相当します。周波数がのとき、波長は、波の公式よりです。 ∴ ......[答]
(c)(i) 周波数がのとき、波長はです。共鳴が12回確認できたということは、(ウ)と同様に考えて、気柱の長さが波長の23倍以上で25倍未満(1から12番目の奇数は23です)ということです。 ∴ ∴ ......[答] (ii) (エ)の結果で、,とすると、 ∴ これが(i)で求めた範囲に入ることから、 これをみたす整数nは、
∴ ......[答]
(d) 時刻()における周波数は、 (エ)の結果でとすると、 よって、共鳴が起きるとき、
∴ より、 ∴ これをみたす整数nは、
のとき、,
のとき、,
のとき、,
よって、のとき,のとき,のとき ......[答]
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