素粒子(その3)からのつづきです。
1967年、ワインバーグとサラムが独立に電磁気力と弱い力を統一的に扱う理論(電弱統一理論と呼ばれます)を提出しました。SU(2)×U(1)というゲージ群に従うゲージ理論です。前述のように電磁場の相互作用を媒介する粒子は質量0の光子です。のクライン・ゴルドンの方程式が電磁波の波動方程式になってしまう(ゲージ変換が波動方程式になっている)ので、ゲージ不変性の要求により光子は質量を持てません。電磁波は横波の2つの自由度を持っていて、の回転対称性を持ちます。電弱理論では電荷Qではなく、弱アイソスピンの第3成分をとして、弱超電荷の対称性を考えます。また、弱アイソスピン空間の変換は対称性を持ち、ゲージ場はパウリ行列を用いてのように表されます。クォークとレプトンのうち、左巻きのものはのゲージ変換を受けるので、微分は共変微分 (は結合定数)となり、ゲージ場と相互作用します(右巻きのものは、ゲージ不変で相互作用しない)。左巻きdownクォークに対する相互作用がβ崩壊で、左巻きと右巻きとで異なるので、弱い相互作用ではパリティー保存が破れます。つの自由度により3種のゲージ粒子が出てきますが、ゲージ粒子であれば質量0のはずなのに、この3種の粒子は大きな質量を持ち、そのために弱い相互作用の到達距離は非常に短くなります。1964年に、イギリスのヒッグスがゲージ対称性の破れによって、ゲージ粒子が質量を獲得する、というヒッグス機構の理論を提唱しました。ワインバーグとサラムはこの考え方を採り入れて、が質量を持つことを説明しました。
ワインバーグ・サラム理論では、ゲージ粒子の場
ϕとして、静止エネルギーを除いたヒッグス・ポテンシャルエネルギー(グラフに描いた形状からメキシカン・ハット・ポテンシャルと呼ばれます)
 (となるので、) ・・・@
と、レプトン、クォークとの相互作用を調べます。@は、のときは (で、対称性が存在する状態)が安定なつり合いの位置になります。ですが、 (μ:純虚数)になってしまうと,においてVが極小値を取り、安定なつり合いの位置が変化します。とおいて、これを真空期待値と言います。つまり、真空は、エネルギーがゼロの状態にあるのではなく、有限の期待値を持つ場ϕが空間に満ちているというのです。のときは、対称性のあるの状態が不安定で、 (場が、ある特定のとなり、回転対称性の失われた状態)に移行し、空間全体にわたって、真空が対称性のある状態から対称性の崩れた状態に移行してしまいます。これを自発的対称性の破れと言います。このときの@のという項を、と見ると、が質量を与え、ゲージ粒子とレプトン、クォークとの相互作用の大きさから、ウィークボソン、レプトン、クォークの質量が決まります。このからくりをヒッグス機構と言います。ヒッグス機構によって、ウィーク・ボソンは質量を獲得します。
インフレーション宇宙論では、ビッグ・バン直後の宇宙が凄まじいエネルギーの高温状態だったのが、宇宙が冷えて壮大な相転移を起こし、で安定だった真空が、で安定となるように相転移し、素粒子が質量を獲得した、と考えられています。ワインバーグ・サラムの理論は、
1970年代に入り、オランダのトホーフトによってくり込み可能なことが示され、1983年、陽子・反陽子衝突実験の中でWボソン、Zボソンの反応、
が発見されて実証されました。
但し、超伝導体には電磁波
(磁力線)が侵入できず、超伝導体が完全反磁性を示すというマイスナー効果が知られていて、光子が実質的な質量を持つ場合があります。そもそも「自発的対称性の破れ」というアイデアは、南部陽一郎がマイスナー効果から着想したものと言われています。

一時は、クォークは便宜的に仮想された数学的モデルに過ぎない、という意見もありました。そこで、ガイガーとマースデンが金原子にα線を当てて原子核の内部構造を解析したように、
1968年、核子に高エネルギーの電子を当てて核子の内部構造を調べる実験(深部非弾性散乱と言われています)が行われました(この実験は、前述のスタンフォード大の線形加速器で、解像度を上げて微細構造を調べるためにエネルギーを大きくして電子波の波長:をさらに短くする改良を行った装置で行われました)。もし、クォークが堅い粒子状のものなら電子が弾性散乱されると予想されますが、散乱は非弾性散乱で、しかも核子の内部には、クォークの影響と考えられる3つの堅い偏向点があるものの、運動量は3個のクォークがずつの運動量を分け持つのではなく、広がった運動量分布を持っており、別の粒子の存在を示唆する結果となりました。この別の粒子は電子と相互作用せず、グルーオン(クォーク同士をまとめている電荷ゼロの粒子)と考えられ、核子内(従って原子核内)でクォークがグルーオンを発生吸収しながら流動的に動いているようなイメージです。こうした見方は1969年にファインマンによって考えられたものでパートン模型と呼ばれています。パートン模型により散乱断面積を正確に計算することができます。しかしながら、現在に至るまでクォークの内部構造までは見えていません。

荷電粒子の散乱断面積の計算を行うと、散乱断面積は基本粒子の電荷の
2乗に比例します。電子・核子衝突実験の結果では、陽子、中性子の電荷の2乗は、各々になります。クォーク模型では、陽子はupクォーク(電荷)2個とdownクォーク(電荷)1個からできていて、電荷の2乗の和を計算すると、
中性子はupクォーク1個、downクォーク2個からできているので、電荷の2乗の和を計算すると、
となり、実験結果と一致し、ここからもクォーク・モデルの有効性が確認できました。

電子と陽電子を衝突させるとき、電子の質量をとして、両者は静止エネルギーを持っており、衝突によって発生する光子のエネルギーは両者の運動エネルギーの和を
Kとして、となります。この値があまり大きくなければ、発生した光子は再び電子・陽電子対に戻ります。ですが、upクォークudownクォークdの質量を各々 ()として、になると、
という反応が起きます。になると、
μ粒子の質量をとして、になると、
という反応がおきます。このとき、ミュー粒子生成の反応断面積をとすると、
です。strangeクォークsの反応
も含めて、udsの電荷はなので、ハドロンが生成する反応の断面積は、
となり、の比Rは、
となるのですが、後述するcharmクォークの質量をとして、よりも小さなエネルギーで実験を行っていた時期には、実験結果はでした。ここで、クォークの色による違いにより、を異なる粒子と考えることにすると、
となり、実験結果により、クォークが色荷を有することも確かめられました。

また、陽子・反陽子衝突実験では、クォーク・反クォークのペア、中間子、ハドロン、レプトンがシャワーのように生成されるのですが、陽子・反陽子衝突実験の解析から、クォーク同士の間に働く強い力は、クォーク間の距離が小さくなると小さくなり、距離が大きくなると大きくなることがわかっています。これを
漸近的自由性と言います。衝突により生じたクォークと反クォークのペアは、ゴム紐のようなもので結ばれていてクォークが離れていくと引き合う力が大きくなり、さらに離れようとすると、電気力では電気力線は無限に長く伸びますが、強い力の場合は真空に強い力の力線を絞るような効果があって、ゴム紐が伸びるとゴム紐が切れ、切れたところにクォークと反クォークが発生し、ゴム紐の両端に必ずクォークが現れ両者の色荷の重ね合わせが白になるように中間子ができます。これが次々に起こるので、中間子がシャワーのように放出されます。一方で、クォーク同士が近づくと、クォークがグルーオンを放出して色が変わる効果(例えば、赤クォークが赤+反青のグルーオンを放出して青クォークに変わり、青クォークが赤+反青のグルーオンを吸収して赤クォークに変わる)によって、真空偏極によりクォークの周囲にできた多くのクォークの色荷の重ね合わせが白になり、強い力も弱まってしまう、というように説明されています。前述のパートン模型は、漸近的自由性によりクォーク間の力が弱まることを前提とした考え方です。

電子、電子ニュートリノの
レプトン(軽粒子)の組を第1世代、μ粒子、μニュートリノの組をレプトンの第2世代と言います。1970年頃までに、クォークは、upクォークudownクォークd(udで第1世代と言います)の組と、strangeクォークsが発見されており、バリオンは3種類のクォークで構成されている、とされていました。また、レプトンやクォークの弱い相互作用による崩壊は、世代内のみで起こると考えられていました。ところが、β崩壊 (ウィーク・ボソンと崩壊します)だけでなく、のような反応も観測され、世代間で混じり合って反応が起こることがわかってきました。1963年イタリアのカビボは、upクォークと対になるのは、downクォークstrangeクォークが重なり合った、 (,カビボ角と言います)だと主張しました。1964年、K中間子の崩壊でCP対称性(粒子と反粒子を反転させる荷電共役変換Cとパリティ変換Pの積に関する対称性)が破れていることが発見されると、1973年、小林誠と益川敏英は、CP対称性の破れを説明するために、存在が予測されていたものの当時見つかっていない第2世代のstrangeクォークの相手、また、第3世代のクォークを想定して、カビボの考え方を拡張し、33列のCKM行列(カビボ・小林・益川行列)を導入して、下系列(dsb)のクォークの混合が上系列のクォーク(uct)に崩壊する、という理論を発表しました。

1974年、加速器で高速に加速された電子・陽電子の衝突実験で、strangeクォークの相手となるクォークを構成粒子とする、チャーム粒子と呼ばれる一連のハドロンが発見され、このクォークはcharmクォークと命名されました。このとき、charmクォークの質量をとして、(中間子のエネルギー)となっており、upクォーク、downクォーク、strangeクォークに赤青緑3種類のcharmクォーク(電荷)が加わって、ハドロンの反応断面積について、
となり(実験結果に一致)ます。この実験では、charmクォークのペア、中間子()が発生していました。また、電子・陽電子のエネルギーをさらに上げた実験の中から、レプトンも1975年τ粒子が発見され、第3世代のレプトンであるτ粒子、τニュートリノの組が確認されました。ここからさらに高エネルギーの領域では、の比較相手にτ粒子生成やウィーク・ボソンも加わり複雑になります。1977年には、bottomクォークを構成粒子とするΥ(ウプシロン)粒子が発見され、1995年に、遂にtopクォークも、topクォークが崩壊してできたと見られるWボソンとbottomクォーク・ジェットが確認され、小林・益川理論が実証されました。

クォークの最も安定な複合粒子は、陽子と中性子です。陽子の寿命の測定のために、岐阜県神岡のスーパー・カミオカンデにおいて、毎年個の陽子が観測されていますが、今のところ一度も陽子崩壊は観測されていないとのことで、陽子の寿命は年以上とされています。中性子は原子核内では極めて安定ですが、核外に出てしまうと不安定になり、
15分弱で陽子と電子と反電子ニュートリノにβ崩壊してしまいます。中性子の寿命は、検出器内で崩壊した個数を数える方法と、容器内に中性子を閉じ込めておき残った中性子数を数える方法とで結果が異なり、その原因が謎とされています。未知の素粒子の誕生という可能性も考えられるそうです。

標準理論では、ニュートリノは質量を持たないと考えられていました。質量を持たない光子は光速で移動しますが、質量を持つ粒子の速度は光速に達することはありません。ニュートリノは左巻きのニュートリノしか見つかっていません。反ニュートリノは右巻きのものしか見つかっていません。このために、ニュートリノには質量がないと考えられました。左巻きのニュートリノに仮に質量があるとして、光速よりも遅いとすると、左巻きのニュートリノを見ていた観測者がニュートリノよりも速いスピードでこのニュートリノを追い越し振り返ってニュートリノを見ると右巻きに見えるはずですが、右巻きのニュートリノは観測されていません。これは、ニュートリノが光速で飛び回っていて質量を持っていない証拠だ、ということになっていました。
我々の周囲で最大のニュートリノ発生源は太陽です。太陽から飛来するニュートリノを太陽ニュートリノと言います。
1960年代より、太陽ニュートリノの観測が行われていますが、本来予測されている数ののニュートリノしか観測されていないのです。この問題は「太陽ニュートリノ問題」と言われて研究者を悩ませてきました。
また、地球には宇宙からもニュートリノがやってきます。
1987年に大マゼラン星雲の中で起きた超新星爆発(地球から16万光年のかなたなので、実際の爆発が起きたのは16万年前です)で発生したニュートリノは、岐阜県のカミオカンデにおいても10秒程度の間に11例観測されました。超新星の爆発モデルから予測される値と一致するものでした。また、宇宙からやってくる様々な宇宙線が地球大気中の原子核と衝突して、ニュートリノを発生します。ニュートリノは、他の物質との相互作用が小さく、神岡上空から来るμニュートリノと地球の裏側から来るμニュートリノの数は本来同数のはずですが、スーパーカミオカンデの観測結果によると、裏側からやってくるμニュートリノは予測の半数程度しかありませんでした。スーパーカミオカンデの観測結果から、1998年、梶田隆章らは、μニュートリノが地球の直径程度の距離を進む間にτニュートリノに転換してスーパーカミオカンデをすり抜けてしまう、と、説明しました。ニュートリノが別種に転換する現象を、μがτになったりまたμに戻ったりするのでニュートリノ振動と言います(現時点では、電子ニュートリノが、μニュートリノ・τニュートリノに転換する現象も確認されています)。これにより、転換する時間があることからニュートリノの移動速度は光速未満、ということになり、ニュートリノは質量を持っている、と結論されました。

ここまで、素粒子物理学に現れる対称性について色々書いてきました。量子色力学の対称性、電磁相互作用と弱い相互作用を統一的に扱うワインバーグ・サラム理論における対称性、他にも相対性理論におけるローレンツ不変性、ゲージ変換におけるゲージ不変性などが登場します。入試レベルでも、斜方投射のような入試問題を解答するときに、対称性を利用するとうまく解ける場合があります。こうした対称性と保存則とを統一的に考える「
ネーターの定理」という数学の定理があります。ドイツの不遇のユダヤ人女性数学者エミー・ネーターによって、1915年に証明され1918年に発表された定理ですが、
対称性 ⇔ 保存則
ということを主張している定理です。この定理によると、
空間並進に対して不変であると全運動量が保存され、空間回転に対して不変であると全角運動量が保存され、時間経過に対して不変であると全エネルギーが保存され、ゲージ変換に対して不変であると全電荷が保存される、ということが言えます。専門書では、ネーターの定理に基づいて素粒子論の対称性を導き出しているのをよく見ます。

最後に、標準模型における素粒子の分類についてまとめておきましょう。

(1) ゲージボソン族:素粒子間に働く力を伝達するスピン1の粒子。ボーズ統計に従います。
光子γ:電磁波となって電磁的な力を媒介する安定なゲージ粒子。質量は0です。
グルーオン:クォーク間を結合させる強い力を伝達する粒子。単体では見つかっていません。色荷を持ち、質量は0です。
Wボソン:弱い相互作用で働く粒子です。ゲージ粒子ですが、ヒッグス機構により大きな質量を持ち、極めて短寿命です。正電荷を持つ,負電荷を持つがあります。β崩壊の過程で、
のように、現れます。
Zボソン;弱い相互作用で働く粒子です。ゲージ粒子ですが、ヒッグス機構により大きな質量を持ち、極めて短寿命です。電荷は0です。フェルミ粒子と反フェルミ粒子に崩壊します。
(2) ヒッグス粒子:ヒッグス機構により素粒子に質量を与える粒子。
(3) レプトン:強い相互作用に関与しないスピンの軽粒子。フェルミ統計に従います。クォーク、レプトンの種類をフレーバーと言います。
・第1世代
電子e:極めて安定で、電荷を持ちます。質量は、。正電荷を持つ陽電子は反粒子。
電子ニュートリノ:安定な粒子で電荷0.質量は程度以下です。は反粒子。
・第2世代
μ粒子(ミューオン):電子によく似ている電荷の粒子,質量は、。正電荷を持つは反粒子。平均で、
と崩壊します。
μニュートリノ:電荷0の安定な粒子。質量は極めて小さい。は反粒子。
・第3世代
τ粒子(タウオン):重い点を除き、電子によく似ている電荷の粒子,質量は、。正電荷を持つは反粒子。平均で、

などと崩壊します。なお、
などと、ハドロンにも崩壊します。
τニュートリノ:電荷0の安定な粒子。質量は極めて小さい。
(4) クォーク:陽子、中性子、π中間子のようなハドロンを構成するスピンの粒子でフェルミ統計に従います。グルーオンによる強い力で結合しており、単体では発見されていません。色荷(便宜的に、赤、青、緑の3通り)を持ち、色荷の合成が白になるように、2個、あるいは、3個の組でハドロン(2個で中間子、3個でバリオン)を構成します。入試用には、(4)の説明と各クォークの電荷を記憶してください。
・第1世代
upクォーク(u)程度の質量を持つ安定な粒子で、電荷を持ちます。反粒子のは電荷を持ちます。
downクォーク(d)程度の質量を持つ安定な粒子で、電荷を持ちます。反粒子のは電荷を持ちます。左巻きのdownクォークはβ崩壊により、
と崩壊します(この反応は覚えてください)
・第2世代
charmクォーク(c)程度の質量を持つ不安定な粒子で、電荷を持ちます。
strangeクォーク(s)程度の質量を持つ不安定な粒子で、電荷を持ちます。
・第3世代
topクォーク(t)程度の質量を持つ粒子で、電荷を持ちます。強い相互作用が働く時間よりも寿命が短く、ハドロンを構成できません。
bottomクォーク(b)程度の質量を持つ不安定な粒子で、電荷を持ちます。
(5) ハドロン2個のクォークから構成され、整数スピンのボーズ粒子である中間子(メソン)と、3個のクォークから構成され、半整数スピンのフェルミ粒子であるバリオンがある。
中間子(メソン)
π中間子:湯川秀樹が予言した粒子で、核子間に働く核力を媒介します。ストレンジネス0です。質量で、正電荷を有する(),負電荷を有する(),質量で電荷を持たない()があり、は、寿命で、
のように崩壊します。は、寿命で、
のように崩壊します。
K中間子:質量で、ストレンジネス1で正電荷を有する(),ストレンジネスで負電荷を有する()は、寿命ですが、は幾つかの崩壊パターンがあり、
(64)
(21
)
(6
)
(5
)
(2
)
のように崩壊します。他に、電荷を持たない質量,ストレンジネス1()と、その反粒子でストレンジネス()があり、には、の混合である長寿命の()と短寿命の()があり(そもそも反応前にだったのかだったのか、見分けがつかないので混合を考える)
のように崩壊します(この崩壊の際にCP対称性が破れます)
さらに中間子には他に、スピン0,スピン1,Υなどがあります。
バリオン:入試用には、陽子、中性子のクォークの構成を記憶しましょう。
陽子(p):クォークuudの組み合わせで電荷を持つ極めて安定な粒子です。ストレンジネスは0,質量は、は、負電荷を持つ反陽子です。
中性子(n):クォークuddの組み合わせで電荷を持たない粒子です。ストレンジネス0,質量はです。原子核内では安定ですが、単独では約でβ崩壊(弱い相互作用)して、
となります。
Λ粒子:クォークudsの組み合わせで電荷を持たないストレンジネスの粒子。質量ですが、寿命で、

のように弱い相互作用で崩壊します。
Σ粒子:電荷(uus)は、質量,寿命で、

のように弱い相互作用で崩壊します。他に、電荷,質量,寿命(dds),電荷を持たない質量(uds)がありますが、は寿命でγ崩壊して、
となります。いずれもストレンジネスはです。
Ξ粒子:電荷(dss)は、質量,寿命で、
のように弱い相互作用で崩壊します。電荷を持たない(uss)は、質量,寿命で、
のように弱い相互作用で崩壊します。ともにストレンジネスです。
Ω粒子:クォークsssの構成で、質量,電荷を持つストレンジネスの粒子で、この粒子はスピンです。寿命で、


のように弱い相互作用で崩壊します。
Δ粒子:電荷(uuu),電荷(uud),電荷0(udd),電荷(ddd)があります。いずれも、質量は,寿命(核子とπ中間子に崩壊します)で、ストレンジネスは0,スピンの粒子です(中性子もクォークの構成はuddですが、スピンは3つのうち1つが逆方向、では3つとも同一方向)

138億年前、ビッグバンによって誕生した超高温の宇宙では力は一つでした。そこから、4つの力、重力、電磁力、強い力、弱い力に分かれ、宇宙が冷えてヒッグス機構により質量ができました。現在、宇宙の物質のうち、標準理論で説明がつくのは5%だけで、ダークマターが何からできているかも謎です。ニュートリノ振動、あるいは、第4世代以降のクォーク・レプトンは存在するのか(4世代ニュートリノは、存在するとしても巨大な質量のはずで、その確率はかなり小さいそうです)、単体トップ・クォークなど、標準理論で説明のつかない現象も見つかっています。
現在、
SU(3)×SU(2)×U(1)対称性をさらに統合的に捉えたSU(5)対称性による大統一理論も提唱されています。物理学を根底から見直すような弦理論の挑戦もなされています。素粒子論は、ミクロな物を扱うだけの物理の1分野というのでなく、近似や摂動やその他の計算技巧も含めて、宇宙の成り立ちまでも対象とする物理学全体を包括的に扱う理論になっています。


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