九大理系数学'09年後期[5]
をで定義された連続な関数とし、a,bを正の定数とする。このとき、がで
の関係を満たすものとする。以下の問いに答えよ。
(1) とするとき、 が成立することを示せ。
(2) が成立することを示せ。 (3) はxについて連続な関数で、任意の二つの実数α,β に対して、次の関係を満たすものとする。 さらに、で定義された二つの連続な関数とは次の関係式を満たすものとする。 , このとき、とおけば、 が成立することを示せ。
(4) でであることを証明せよ。
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解答 抽象的な問題というだけでなく、,,,,と、いろいろな関数の積分やら微分やらが出てくるので、目移りしてなかなか焦点が定まりにくい問題です。こういう時は、とにかく手を動かして、いろいろ試行錯誤するべきです。
(3)では、定積分に関する性質を利用するのですが、ここでは、自明とせずに、証明を試みます。
,,として、
・・・@
より、,これを用いて、 @より、
これとより、
(2) なかなか手がかりのつかめない問題ですが、示すべき不等式:の右辺と@の右辺を比較してみます。 これが、において0以上となることが示せれば都合がいいのですが、(1)を見ると、という形が見えるので、より、 ・・・B とおいて、を示すことを目標にします。(1)の結果を用いて、 これより、はにおいて単調増加であり、Aでとおくととなるので、Bより(関数の増減を参照)、 よって、@を用いて、
(3) として、 ・・・C () よって、
・・・D で定義された連続な関数について、 ・・・E となるので、とすることにより、 これと、C,Dより、
注.Eは既知としてもよいのですが、証明しておきます。
において、つねにであるときには、 ・・・F において、つねにであるときには、 ・・・G において、を満たすtがn個あって、,,・・・,とします。また、,とします。となる整数kについて、のときであれば、 () ですが、のときであれば、 従って、
∴ 以上よりF,Gを含めて、Eが成立します。
(4) (3)の結果を見ると、において定義された連続な関数について、@で、をとし、,とした不等式が成り立つので、(2)の結果で、をとし、,とした不等式が成り立ちます。よって、において、 ∴ (証明終)
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