東京理科大理'10年[2]
とおく。
(1) 方程式の正の実数解と負の実数解はそれぞれいくつあるか答えよ。 (2) 方程式のすべての実数解aに対して が成り立つような、2次以下の整式とを求めよ。 (3) aを方程式の実数解とするとき、ともまた方程式の解であることを示せ。 (4) aを方程式の最大の実数解とするとき、との符号はそれぞれ正、負のどちらであるか、理由も含めて答えよ。
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解答 3次方程式の問題ですが、(3)では、「恒等式」と「等式」の違いについて注意しましょう。なお、高次方程式を参照してください。
(1) 3次方程式は3個の解をもっています。xにいろいろな数値を代入すると、 より、方程式は、,,において1つずつ実数解をもちます。従って、
正の実数解が1個、負の実数解が2個 ......[答]
(2) 3次方程式の3個の実数解をα,β,γとします。 これがすべての実数xについて成り立つために、
@より、 ・・・C
となりますが、2次の整式を、p,q,rを実数として、とおくと、Cで,,として、 D−Eより、3個の解は互いに異なるのでより、で割って、 ・・・G E−Fより、同様にして、
・・・H G−Hより、
より、,Gより、,Dより、
∴ ......[答]Aより、 ・・・I 2次の整式を、l,m,nを実数として、とおくと、Iで,,として、 J−Kより、
で割って、 ・・・M K−Lより、同様にして、
・・・N M−Nより、
で割って、
Mより、
∴ Jより、
∴
aを方程式の解とするとき、 ・・・O 得られたは、Oを用いて、 より、Bを満たしています。
......[答] 注意.C,Iより、,となることは明らかですが、C,Iのaは「全ての実数」ではなく、の3解α,β,γのみであって、C,Iはaの恒等式ではなく、恒等式の条件が使えないことに注意してください。
CはD,E,Fを代表して書かれた等式、Iは、J,K,Lを代表して書かれた等式であって、「aに関する恒等式」ではないのです。
上記のように、p,q,rに関する連立方程式D,E,F,また、l,m,nに関する連立方程式J,K,Lを解かなくても、2次関数のグラフは、通過する異なる3点が決まってしまえば、ただ1通りに決まります。
異なる3点,,を通ることから,
異なる3点,,を通ることから
と断定できます。
(3) (2)より、 また、
ここで、Oを用いて、
これより、は、 と因数分解できます。よって、,もまた、方程式の解になります。
(4) (1)より、,の符号はどちらも負 ......[答]
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