恒等式 関連問題
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という等式は、とのときに限って成り立つ式です。特定のxの値についてだけ成り立つ式を方程式と言います。
それに対して、という等式は、xにいかなる実数を代入しても成り立ちます。このような等式を恒等式と言います。
もちろん、恒等式によっては、式として意味を持たないxの値(分母を0にするx,根号内を負にするxなど)を除いて考えるものがあります。
(方程式・不等式を参照)
例1.がxについての恒等式 ⇔
[証明] だとすると、となり、等式:を満たすxの値がただ1つに確定してしまいます。これでは、が恒等式にならないので、です。このとき、
逆に、のとき、任意の実数xについて、です。 (証明終)
例2.がxについての恒等式 ⇔
[証明] だとします。 ・・・@ が、任意の実数xについて成立するから、異なる3個の値、,,をxに代入したときに@が成立します。これは、2次方程式@の相異なる解の数が高々2個であるという事実に反します。よって、
このとき、
例1.により、,よって、
逆に、のときに、
例2.の証明を次のように行うこともできます。「任意の......」という表現があるときに、ある特定の値について成り立つとして、簡単な場合から条件を導き出すという技巧は、受験技巧として、超難問を攻略するときにしばしば使われる重要技巧です。
[例2.の証明] ・・・@ が任意の実数xに関して成り立つのだから、においても成り立つ。
@において、とすると、 ・・・A
@において、とすると、 ・・・B
@において、とすると、 ・・・C
BをAに代入すると、
∴ ・・・D
B,DをCに代入すると、
∴
Dより、
よって、
これだけでは、証明になっていません。なぜなら、xの特別な値、についてしか調べていないからです。としていくと成り立たないかも知れません。
上でやってきたことは、“がxについて恒等式 ⇒ ”,つまり、“”が、“がxについて恒等式”の必要条件であることを示したに過ぎないのです。
従って、“”が、“がxについて恒等式”の十分条件であることも示さないと、“がxについて恒等式 ⇔ ” (矢印記号が、‘⇒'から‘⇔'に変わっていることに注意)を示したことにならないのです。
であれば、であったとしても、@が成り立つことを示すために、以下の1行を証明につけておく必要があります。
であれば、はxについて恒等式。 (証明終)
以上の証明で、なぜ、にしたのか?という疑問を持つ人もいるかも知れません。別に、でなければならないということはありません。であっても構いません。ですが、わざわざ、のとき、などとやると、人生をムダに過ごすことになります(たまには時間つぶしで回り道も気晴らしにいいかも知れませんが、入試会場では不可です)。つまり、にしているのは、連立方程式を素早く解くためです。
例3.がxについての恒等式 ⇔ かつ かつ
[証明] がxについての恒等式
⇔ がxについての恒等式
⇔ (例2.より)
⇔ かつ かつ (証明終)
例4.がxについて恒等式となるようにxの値を定めよ。
[解答] 右辺を通分して分母を揃えた上で、分子が上記の恒等式の条件を満たすようにします。
これがxについて恒等式となるために、分子を比較して、
・・・@, ・・・A, ・・・B
B−@より、 ・・・C
A−Cより、
∴
Aより、
@より、
,, ......[答]
(1) が、任意の実数x,yについて成立する ⇔
(2) が任意の実数xについて成立する
⇔
(3) が、任意の実数x,yについて成立する ⇔
(4) が、任意の実数θについて成立する ⇔
[証明](1) と仮定すると、となりyの1つの値に対してxの値が1つに確定してしまいます。
これでは、任意の実数x,yについてが成立するという条件に反します。
∴ ,
yは0以外の値も取り得るので、,よって、
逆に、のとき、明らかに、任意の実数x,yについて、が成立します。 (証明終)
(2) と仮定すると、 ・・・@ が任意の実数xについて成立するから、相異なる個の実数について@が成立します。これは、n次方程式@の相異なる解が高々n個であるという事実に反します。
∴
以下、同様にして、
逆に、のとき、明らかに、任意の実数xについて、が成立します。 (証明終)
(3) をxについて整理すると、
この等式が任意の実数xについて成立するから、
こでが任意の実数yについて成立するから、
逆に、のとき、明らかに、任意の実数x,yについて、が成立します。 (証明終)
(4) ,αは、,を満たす角。
はであるいろいろな値をとるので、 ∴
逆に、のとき、 (証明終)
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