名大数学'11[4]

abを満たす整数とし、xy2次方程式
がそれぞれ整数解をもつとする。
(1) とするとき、条件を満たす整数aをすべて求めよ。
(2) とするとき、条件を満たす整数の組をすべて求めよ。


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解答 以下では、素朴に考えてみます。遠回りですが、これでも試験会場では充分に実戦的です。ある整数Aが平方数になるかどうか調べるとき、近い値をとる平方数を探してきて、という形の不等式を作ることができれば、Aは平方数ではない、と、断定できます。(2)はこれを使って解答します。

(1) のとき、x2次方程式は、
 ・・・@
となります。y2次方程式も同形の方程式です。この解は、
これが整数となるために、少なくとも、根号内0または平方数である必要があります。
(i)
とすると、より、
このとき、で確かに@は整数解をもちます。
(ii) pを自然数として、
とおけたとします。これをaについて解くと、
aは整数なので、 ()は平方数です。qを自然数として、
とおけます。
これより、はいずれも4の約数です。なので、に限られますが、となり、pqは自然数ではありません。従って、この場合に、が平方数となることはありません。
以上より、 ......[]

(2) x2次方程式
 ・・・A
の解は、
 ・・・B
y2次方程式
 ・・・C
の解は、
 ・・・D
A,Cが整数解をもつために、B,Dの根号内0または平方数である必要があります。
(i)
とすると、より、
 ∴
よって、に限られますが、が整数になるのは、のときで、このとき、
よって、この場合には、条件に適する
abの組はありません。
(ii)
とすると、より、
 ∴
また、は整数なので、bは偶数でkを自然数としてとおくと、より、,また、
(i)の場合が不適だったので、 ()は平方数ですが、
ここで、です。の次に小さな平方数はです。
とおくと、より、であれば、,すなわち、
となり、は平方数になり得ません。
問題は、のときとのときですが、
のとき、
のとき、
はともに平方数ではありません。
よって、
(ii)の場合にも、条件に適するabの組はありません。
(iii) がともに平方数となる場合、より、kを自然数として、とおくと、

の次に大きな平方数はです。


これが0に等しいとき、となりますが、kは整数なので、
となることはありません。次に大きな平方数はですが、
よって、
かつ
従って、は、のときにのみ、平方数になります。このとき、
としてみると、
となり、のとき平方数1になることがわかります。
なので、の次に小さな平方数とを比べてみます。
では、となり、が平方数になることはありません。
のときは、のときのみが平方数
1となり、このとき、です。
のとき、
2次方程式Aは、
より、整数解をもちます。
2次方程式Cは、
より、整数解をもちます。
以上より、 ......[]

別解.最初から方程式の解がどのようになるか調べておけば、以下のようにして、簡単に解くことができます。
とおくと、両2次方程式は、となります。
の軸位置;の軸位置: ・・・E
より、両2次方程式が整数解をもてば、ともに負の整数解です。
(1) のとき、両2次方程式はともに、
となります。よりは解にならないので、

aは整数なので、1の約数であることとであることから、より、整数解はに限られます。よって、 ......[]
(2) の解が負の整数であることから、Eより、
つまり、
これと、より、 ∴
よって、
は、整数解をもちます。
よりは解にならないので、

bは整数なので、2の約数であることとであることから、に限られます。いずれにしても、 ......[]


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