阪大理系数学'11年前期[4]
a,b,cを正の定数とし、xの関数を考える。以下、定数はすべて実数とする。
(1) 定数p,qに対し、次をみたす定数rが存在することを示せ。
ならば (2) 恒等式を用いて、次をみたす定数k,lが存在することを示せ。 ならば (3) すべての自然数nに対して、が自然数であるとする。このとき関数は、自然数の定数mを用いてと表されることを示せ。
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解答 入試問題としてはあまり見かけないタイプの問題です。「定数が存在することを示せ」という問題に対しては、定数を求める手順を説明すれば、存在することを示したことになります。なお、整数、条件と命題を参照してください。
(1) 三角不等式:において、αをpx,β をqとすると、においては、 ここで、をみたすような定数rをとると、において、 とできます。よって、ならば、をみたす定数rが存在します。
(2) 題意をみたすkが存在するとして、,とすると、 ですが、ここで、kが正の定数であれば、において、 なので、 , ・・・@ また、
ここで、正の定数kがであれば、 (1)の結果において、,とすれば、 ・・・A を満たすような定数rをとれば、において、 ・・・B @,Bより、
即ち、とし、Aをみたすような定数rをとり、となるように定数k,lをとれば、において、 とすることができます。よって、題意をみたす定数k,lが存在します。
(3) (2)の結果において、 (nは任意の自然数)とすると、 ⇔ ・・・C ここで、a,b,cが正であることから、
つまり、なので、は自然数です。nを十分に大きくとれば、Cの範囲:に入る自然数xをただ1個にできます。この自然数をmとすると、 このとき、
, となり、
と表されます。
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