京大理系数学'10年乙[5]
次の問いに答えよ。
(1) nを正の整数、とする。はで割り切れるがでは割り切れないことを示せ。 (2) mを正の偶数とする。がで割り切れるならばまたはであることを示せ。
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解答 (1)は、のときではの倍数、のときはではの倍数(は2の倍数)、のときはではの倍数(は2の倍数)、という具合になっています。の場合からの場合に行くときに、因数分解すれば2の倍数が出てくる、というわけで、数学的帰納法の枠組に乗せることができます。なお、整数を参照してください。
(T) のとき、,はで割り切れますがでは割り切れないので、題意は成立します。 (U) のとき、題意が成立し、として、はで割り切れるがでは割り切れないと仮定します。 すると、pを奇数として、
・・・@ とおくことができます。
さて、とすると、 p,は奇数なので、はで割り切れますがでは割り切れません。
よって、のときも題意は成立します。 (T),(U)より、nを正の整数、として、はで割り切れるがでは割り切れないことが示されました。
(2) qを正の奇数,nを正の整数として、正の偶数mをとします。 (1)より、とすると、はで割り切れるがでは割り切れないので、pを奇数として、 とおくことができます。より、 中カッコ内は、,,・・・,,1はいずれも奇数で、奇数個(q個)の奇数の和なので奇数です。pと中カッコ内が奇数なので、はで割り切れますがでは割り切れません。題意より、がで割り切れるので、2の指数,mに関して、 ・・・A が成立します。においては、 であって、qは正の奇数なので、ではAを満たす正の整数nは存在しません。また、のときには、すべての正整数nについてとなり、Aを満たす正の整数nは存在しません。
よって、Aを満たすnは、のときののみで、このときmは、 または に限られます。
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