京大理系数学'11[6]

空間内に四面体ABCDを考える。このとき、4つの頂点ABCDを同時に通る球面が存在することを示せ。


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解答 京大でよく見かける「......が存在することを示せ」という問題です。考えにくい問題であることが多いのですが、どういう手順で......が求められるか、ということを説明すれば答案を書くことができます。......を求める点順が説明できれば、......は必ず存在するからです。

4つの頂点ABCDを同時に通る球面が存在するとして、その中心をOとすれば、
OAOBOCOD
となります。従って、4ABCDから等距離の点が存在することを言えば、4つの頂点ABCDを同時に通る球面が存在することが言えます。
まず、三角形
ABCを含む平面内で、
OAOBOC
を満たす点は、三角形ABCの外心Pです。任意の三角形ABCに対して、外心は必ず存在します。
空間内で、

OAOBOC
を満たす点Oは、三角形ABCの外心Pを通り、三角形ABCに垂直な直線l上の点です。
ここで、線分
ADの垂直二等分面(ADの中点を通りADに垂直な平面)αを考えます。線分ADの垂直二等分面αが三角形ABCに垂直になることはありません。なぜなら、αが三角形ABCに垂直なとき、点Dは三角形ABCを含む平面上にあって、このとき、四面体ABCDができないからです。
従って、平面
αが直線lに平行になることはなく、平面αは直線lと交点をもちます。この交点を改めてOとすると、Oは、平面α上にあるので、
OAOD
を満たします。このとき、
OAOBOCOD
となり、4ABCDから等距離の点Oが存在して、4つの頂点ABCDを同時に通る球面が存在します。

追記.空間ベクトルで考えてみます。
頂点Aを原点とするような座標系をとり、BCDの位置ベクトルをとします。また、4つの頂点ABCDを同時に通る球面が存在するとして、その中心の位置ベクトルをとします。
より、
よって、
これは、として、が、3元連立1次方程式
 ・・・()
の解であるということであって、連立方程式()が解を持てば、四面体ABCDに対してが存在し、4つの頂点ABCDを同時に通る球面が存在することになります。
()は、行列逆行列を持てば、()の右からをかけることにより、
として解を求めることができます。ここでは四面体ABCDができているので、1次独立で、が存在するので、()は必ず解を持ちます。


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