京大理系数学'26年前期[3]

nは正の整数とする。整数係数の多項式
のすべての係数がで割り切れるような正の整数mのうち、最大のものはであることを示せ。


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解答 与式を因数分解してしまえば、数学的帰納法の利用が見えてきます。

まず、
nに数値代入して確かめてみます。のとき、多項式は、


多項式の係数は、04なので、で割り切れてでは割り切れないので、すべての係数がで割り切れるような正の整数mのうち、最大のものはです。
のとき、多項式は、


多項式の係数は、で割り切れて、で割り切れないものを含むので、すべての係数がで割り切れるような正の整数mのうち、最大のものはです。

ところで、の指数のと、の指数のは、ともに偶数なので、は因数分解できます。


 ・・・@
ここで、は、のとき、
のとき、
は、のとき、
のとき、

因数分解@は、のとき、

のとき、


となっています。
これで、係数がで割り切れるような正の整数
mのうち、最大のものが、
のときのとき ・・・A
となることが分かります。

因数分解@のうち、の部分の係数は、の場合を見ると、すべて偶数になりそうです。そこで、これを確かめます。

まず、@の中に出てくるについて考えます。,または、のときには、です。のときには、
2項係数の公式を用いて、
は自然数なので、kで割り切れますが、においては、であり、を既約分数になるまで約分するとき、分子に必ず2が残ります。は自然数なので、素因数分解したときの2の指数は、kを素因数分解したときの2の指数よりも大きくなります。つまり、において、2の倍数です。同様に、のとき、において、2の倍数です。
従って、の部分は、のとき、

となり、各項の係数は、すべて2の倍数であって、の倍数でない項(定数項との係数は2)があります。 ・・・B

因数分解@のの部分は、であって、
n1だけ小さくしたものになっています。これで、数学的帰納法の枠組みに乗ります。

題意を数学的帰納法により示します。
のとき、Aより、題意は成立します。

()のとき題意が成立すると仮定します。仮定より、
() 整数係数の多項式のすべての係数がで割り切れるような正の整数mのうち、最大のものはです。
のとき、整数係数の多項式は、
と因数分解され、このうち、は、Bとより、各項の係数は、すべて2の倍数であって、の倍数でない項があります。は仮定により、すべての係数がで割り切れるような正の整数mのうち、最大のものはです。
よって、は、すべての係数がで割り切れるような正の整数
mのうち、最大のものはです。
のときにも、
()が成立します。よって、数学的帰納法により、すべての正整数nについて題意が成立します。
以上より、
nを正の整数とするとき、整数係数の多項式のすべての係数がで割り切れるような正の整数mのうち、最大のものはであることが示されました。

注意.強引に、2項係数そのものに着目する(こういうアプローチをする問題もあります)と本問ではうまく行きません。
多項式の中央のところの係数だけを見ても、





などとなり、規則性も見えますが手に負えなくなります。
の利用も、
となりきれいな形をしていますが、

となってしまうと、厳しいことになります。



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なお、解答は、
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