東大文系数学'08前期[3]

座標平面上の3ABCに対し、をみたす点Pの軌跡を求めよ。ただし、とする。


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解答 として、ベクトルの内積を用いて、
としても、計算は猛烈ですが、力尽くでやれば30分あれば解答できると思います(旺文社全国入試問題正解に載っています)[1][2]が簡単なので、時間がかかっても腕尽くで計算というのが、この問題では無難だと思います。
ここでは、計算によらないアプローチで考えてみます。

まず、問題文を読んで即浮かぶのは、
Py 軸上のC以外の点であれば、となる(右図黄色線の場合)、ということです。答えがy 軸だけ、というのではあまりに簡単すぎるので、y 軸以外でも、となる場合があるのか、あちこちに点Pをとって調べてみると、点Pが第1象限、あるいは、第2象限にあれば、となる場合がありそうです(右図赤線の場合)
Pが第3象限、第4象限に来る場合はどうか、という前に、x軸上ではどうか、と、調べてみると、線分AB間の原点以外では、は互いに補角をなす関係にあって、とはなりません(右図緑線の場合)。ですが、x軸上のの部分では、APBPx軸と重なってしまうので、となるのです(右図藍色線の場合)
3象限のの部分ではの中にが含まれてしまい、とはなり得ません。第4象限のの部分ではの中にが含まれてしまい、とはなり得ません(右図橙色線の場合)になるとすれば、第3象限のの部分か、第4象限のの部分において、ということになります。
次に浮かぶことは、△
APCと△BPCで何か出てこないか、ということでしょう。
ここで気づくことは、と向かい合っている辺
AC,辺BCの長さがともにで等しいということです。となれば、正弦定理を使おうということになります。
とすると、△
APC,△BPCにおいて正弦定理より、
これより、
となります。より、
または
のいずれか、となります。
(i) の場合、△APCと△BPCは、2頂角が等しくなるので、
ということは、点Py 軸上のC以外の点だということです。
(ii) の場合、
・点Px軸上にくると、ABPが一直線上に並びます。
Pの部分にあるときには、とはなり得ません。
Pの部分に来ると、となり、をみたします。
Pの部分に来ると、となり、をみたします。
つまり、点
Pは、x軸のの部分の点です。
・上記で検討したように、点Pが“かつ”の部分、または、“かつの部分に来ることはありません。のいずれか一方が他方を含んでしまうので、となり得ないからです。
また、の場合は、のいずれか一方は以上の角になりますが、“かつ”,“かつ”の部分に点Pが来てしまうと、はともに鋭角になってしまう(が鈍角になるためには、点Pの部分に来なければならない)ので、点Pが第3象限、第4象限に来ることはありません。
・点Pが第1象限、または、第2象限にあるとして、四角形APBCは、対向する角が互いに補角をなすので、円に内接する四角形です。しかも、なので、四角形APBCは、ABを直径とする円(原点を中心とする半径1の円)に内接します。つまり、点Pは、原点を中心とする半径1の円:の周上、第1象限、第2象限の部分の点です。
(i)(ii)より、点Pの軌跡は、y 軸上の点Cを除く部分、または、x軸上のの部分、または、原点を中心とする半径1の円:の部分 ......[]
図示すると、右図太線のようになります。


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