早大教育数学'09年[4]
正の整数nに対して、集合の部分集合Mで条件
ならば をみたすものを考える。このような集合Mに対してMの要素の個数をとするとき、の取りうる最大値をと表す。
次の問いに答えよ。
(1) nが4の倍数のとき、が成り立つことを示せ。 (2) nが4の倍数のとき、も成り立つことを示せ。 (3) を求めよ。
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解答 (1),(2)は抽象的で考えづらい難問です。こうした問題は、程度として具体的に考えるようにします。
集合の部分集合Mで条件
ならば ・・・(*) をみたすものというと、例えば、
は条件(*)を満たします。ですがです。
同様に、も条件(*)を満たします。
のとき、Mは1個の要素をもつので、です。
は条件(*)を満たしません。のときとなってしまいます。
は条件(*)を満たします。ならば,ならばとなっています。のときです。
も条件(*)を満たします。このときです。
「のとりうる最大値をとする」というのは、の場合、集合の部分集合をいろいろと考えて、条件(*)をみたす部分集合を作ったときに、もっとも要素数の大きなものを考える、ということです。条件(*)をみたす部分集合Mの中に、1と2は同居せず、3と6は同居せず、というように考えて行くと、
のときのが最大要素数の部分集合になります。であれば、です。となるMは、他にも、,などが考えられます。
そして、(1)の問題文は、という不等式が成り立つことを示せ、と、言っているわけです。
というのは、集合の部分集合の中で条件(*)をみたすものを考え、それらの中の最大要素数です。1と2は同居できないので、ということはあり得ません。条件(*)を満たすのは、,で、です。
なので、は満たされています。
また、(2)のも満たされています。
さて、(1)ですが、のとき、となる部分集合Mの中で、に注目します。この集合は、のときのを与える部分集合と、を満たす要素xから成る部分集合に分けることができます。の要素数は6なので、という不等式は、
のときに最大要素数を与える部分集合は、のときに最大要素数を与える部分集合の要素と、を満たす個の要素をすべて含んでいる。 と、言うことを示せばよいことになります。
一般のnの場合を示すときには、以下とそれ以外とに分けて示すことになります。
(1) とします。 nが4の倍数のときは正の整数で、集合は、の部分集合です。
の部分集合であって、条件(*)を満たし (とおく)となる集合の要素はm個ありますが、それを小さい順に、,,・・・,とします。 ・・・@ また、,,・・・, ・・・A です。
を満たす個の要素xから成る集合は、条件(*)を満たします。つまり、であれば、です。
なぜなら、より、 ・・・B となるからです。
ここで、を考えます。
,,・・・,については、@より、であって、Aを合わせて考えると、, ,・・・,
また、,,・・・,nについては、Bより、その2倍はの要素ではありません。
従って、のすべての要素について、であり、はの部分集合で条件(*)を満たします。また、より、 以上より、の部分集合Mで条件(*)を満たすものに対してMの要素の個数をとするとき、の取りうる最大値をとすれば、
(2) (1)のに対し、はの部分集合で条件(*)を満たしだとします。 つまり、は条件(*)を満たすの部分集合の中で最大要素数の集合(必ずしも一通りではありません)だとします。
の要素の中で以下の要素の個数をkとすると、 ・・・C です。
これを背理法で示します。仮に、の要素の中で以下のものが個以上あるとして、そのうちのm個で集合を作ったとします(に入らない要素をbとします)。任意のについて、でもあるのでですが、であれば、 ()であって、は(1)の集合の部分集合であって条件(*)を満たすので、,つまり、は条件(*)を満たす最大要素数の集合です。ところが、かつかつとなるbが存在し、,従ってなので、にbを付け加えてできる集合もの部分集合であって条件(*)を満たしてしまいます。これは、が最大要素数の集合であることと矛盾します。よって、Cが成り立ちます。
の要素の中で以上の要素の個数をKとすると、 ・・・D です。
なぜなら、は、以上n以下の整数の中では、を満たす奇数x (全部で個あります)と、を満たすy (個あります)について、yか ()のいずれか1個(yとはの中で同居しません)の計個,合わせて、個以外の要素を持ち得ないからです。
C,Dより、
(3) (1),(2)より、nが4の倍数のとき、
です。 は4の倍数なので、 ・・・・・・
のとき、集合の部分集合で、条件(*)を満たす集合であって、要素数最大のものはで、です。 ∴ ......[答]
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