静岡大物理'10[1]

1に示すように地球と点Aの距離が,点Bとの距離がrn倍である軌道上を周回する質量の人工衛星がある。点Aを通過する人工衛星の速さを,地球の質量を,万有引力定数をとし、次の問いに答えよ。

1 人工衛星が楕円軌道()で周回している場合を考える。ただし、地球と人工衛星との間にはケプラーの法則が成り立ち、地球の中心と人工衛星を結ぶ線分が単位時間に描く面積(面積速度という)が一定である。図1の点Cでは、この面積速度の大きさは線分の長さ,速さ,線分と速度のなす角を用いてで表される。なお、線分ABは楕円の長軸であり、点A,点Bにおける速度の方向は線分ABに対して垂直である。
(1) Aにおける力学的エネルギーを表せ。
(2) Aにおける面積速度をrを用いて表せ。
(3) Bにおける速さnを用いて表せ。
(4) Aにおける速さnGMrを用いて表せ。
(5) nが限りなく大きくなるときの速さを求めよ。

2 人工衛星が速さ,半径rで等速円運動()している場合を考える。ただし、地球は球体で自転による影響は無視できるものとする。
(1) 人工衛星に働く遠心力を表せ。
(2) 人工衛星に働く力のつり合いの式を表せ。
(3) 人工衛星の速さがのとき、地表からの高さはいくらか。ただし、地球の半径は,地表の重力加速度の大きさはとし、有効数字2桁で答えよ。
(4) 人工衛星の地表からの高さが地球の半径Rに等しいとき、人工衛星に働く重力加速度の大きさは地表の重力加速度の大きさの何倍か。有効数字2桁で答えよ。


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解答 万有引力と楕円運動に関する基本問題です。

1(1) Aにおける運動エネルギー万有引力位置エネルギー力学的エネルギーは、
......[]
(2) Aと地球の中心を結ぶ線分と、点Aにおける速度とのなす角はなので、点Aにおける面積速度は、 ......[]
(3) Bと地球の中心を結ぶ線分と、点Bにおける速度とのなす角はなので、点Bにおける面積速度は、
面積速度一定のケプラーの法則より、
......[]
(4) (1)と同様に、点Bにおける力学的エネルギーは、
Aと点Bにおける力学的エネルギー保存より、よって、
(3)の結果を代入して、
をかけて整理すると、

......[]
(5) のとき、 ......[]

2(1) 人工衛星に働く遠心力は、 ......[] (地球の中心から外に向かう方向)
(2) 人工衛星に働く(1)遠心力万有引力 (地球の中心に向かう方向)
両者の力のつり合いより、
......[]
(3) (2)より、
地球の半径,地表での重力加速度として、地表で質量mの物体に働く重力万有引力に等しいことから,これより、,よって、
地表からの高さは、
......[]
(4) 人工衛星と地球の中心との距離になります。このとき、重力加速度として、万有引力は、
......[]


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