磁気におけるクーロンの法則
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真空中で、磁気量m,の磁極が距離r離れて位置しているときに働く磁気力は、を真空の透磁率として、
で与えられる。磁極が異種()のときは引力、磁極が同種()のときは斥力が働く。
磁気でも電気の電荷と同様に、磁極には磁荷があると考えます。ただし、電荷とは異なり、現実には単一磁荷という物理的実体は存在しません。つまり、N極しかない磁石、S極しかない磁石は存在しません。磁石は、必ず、N極とS極とがペアになっているのです。
ですが、仮に磁気量mの磁荷が存在するとして、電気におけるガウスの法則と同様に考えてみます。この磁荷を取り囲む半径rの球面上にできる磁界の強さHは、真空の透磁率:を用いて、
磁界の向きは、(磁荷がN極)のとき、球面に垂直に外向きです。
磁気量mの磁荷が作る磁界中に、この磁荷から距離r離れた位置に置かれた磁気量の磁荷に働く力Fは、公式(磁界を参照)より、
これは、磁気に関するクーロンの法則です。,つまり、のときは、引力、,つまり、のときは、斥力が働きます。
単一磁荷は存在しないのですが、クーロンの法則は実験的に検証されています。高校の教科書では、単一磁荷が存在しないので、「磁荷」と言う用語を避けて「磁極」(その大きさを「磁気量」)と呼んでいるようです。
なお、磁石をN極とS極の境界で切って2つに分けても、単一磁荷、つまり、N極だけの磁石、S極だけの磁石にはなりません。今までN極だった方の磁石のN極と反対側に新たにS極が生じ、今までS極だった方の磁石のS極と反対側に新たにN極が生じてしまうのです。磁石をどこまで細かく分けても、N極の逆にS極、S極の逆にN極が生じて、単一磁荷にはなりません。
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