管の振動


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瓶の口から息を吹き込むと音が出ます。管の中の空気が振動するからです(管の中の気柱が振動するので、管の振動を気柱の振動と呼ぶこともあります)。空気の振動なので、波の伝播速度は、音波の伝播速度vになります。これを応用して、フルート、リコーダー、トランペット、クラリネット、パイプオルガン、といった楽器が作られました。これらの木管楽器、金管楽器の音が出る仕組み、音程を作る仕組みは複雑で難しいので、ここでは簡単なモデルを扱います。一つは、管の一方が閉じていて他方が空いているタイプで、一端閉管と呼ばれます。もう一つは、管の両側が空いているタイプで、開管と呼ばれます。閉じている側は、気体分子が振動できないので固定端になり、開いている側は、気体分子が自由に振動できるので自由端になります(波の反射を参照)

管の長さが
Lの一端閉管の振動の状況は右図のようになります。閉じているところが固定端、開いているところが自由端になっています。以下で、音波の伝播速度をvとします(波の公式を参照)
最も簡単な振動は、固定端が節になり自由端が腹になる振動で、これが基本振動になります。波長をとすると、管の長さが波長のに当たるので、,よって、,公式より、基本振動の振動数は、

固定端の他に節が1つできるのは、2倍振動ではなく3倍振動になります。波長は、,振動数は、
固定端の他に節が2つできのは5倍振動で、波長は,振動数は、
一端閉管では、偶数倍の倍振動はできずに、倍振動は全て奇数倍の倍振動になります。一端閉管が発生する音波の音色も特徴的で奥深い雰囲気の音色です。nを自然数として、固定端の他に節がn個できる振動は倍振動で、波長は,振動数は、
となります。

管の振動では、実は空気は疎密波を作っているのですが、振動の状況を見やすくするために横波に直して描きます。疎密波の振動の様子は右図のようになっていて、横波で表したときに腹となる位置では、空気分子が激しく振動します。節となる位置では、空気分子は振動しません。
また、管の開口部では、空気分子の振動が管外に向かって広がります。その分だけ、腹の位置が外にずれて、管の長さがだけ長くなったような効果を生じます。右図のような一端閉管の
3倍振動では、管の長さをとして考える必要があります。この開口端補正と言います。管が円筒形である場合、底面の円の半径をrとして、ほぼ、であることが知られています。開口端補正は、入試問題では、必ず考慮するもの、というわけではなく、開口端補正を無視して(つまり、管の長さをLとして扱う)考える問題もあります。

管の長さが
Lの開管の振動の状況は右図のようになります。両端とも開いており自由端になっています。最も簡単な振動は、節が一つできる振動で、これが基本振動になります。波長をとすると、管の長さが波長のに当たるので、,よって、,公式より、基本振動の振動数は、
節が2つできるのは、2倍振動です。波長は、,振動数は、
節が3つできるのは、3倍振動です。波長は、,振動数は、
開管では、全ての自然数倍の倍振動が可能です。節がn個できるのは、n倍振動です。波長は、,振動数は、
となります。


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