回転
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コイルに電流を流すと、右ねじの法則に従って、コイルを貫く磁界が発生します。この現象を数学的に記述するために、回転と呼ばれる量を考えます。
空間内で、右図のような、P,Q,R,Sを4頂点とする微小な長方形に沿ってベクトルが一周して回る効果を考えます。
PQ上ではのx成分が,RS上ではのx成分が,
QR上ではのy成分がで、SP上ではのy成分がで、ここでは、ベクトルのx成分、y成分は、各辺上における値の変化を無視して、各辺上で一定値をとると考えることにします。
また、長方形をP→Q→R→S→Pと一周すると考えると、PQ上ではx軸の向き、QR上ではy軸の向きに進みますが、RS上ではx軸の向きと逆向きに、SP上ではy軸の向きと逆向きに進むので、ベクトルの寄与はそれぞれ、,と考えられます。
辺PQからの寄与と辺RSからの寄与を合わせると、yがだけ変化したときのの変化率として、
辺QRからの寄与と辺SPからの寄与を合わせると、xがだけ変化したときのの変化率として、
を考えることができます。
ここで、においては、z,xを固定してとし、においては、y,zを固定してとすると、
これより、微小な長方形に沿ってベクトルが一周して回る効果として、,の極限で、を考えることができます。
この長方形PQRSに沿って電流を流すときに、右ねじの法則によれば、長方形の中心(2本の対角線の交点)には、z軸方向の磁界ができます。そこで、をz成分と考えます。
同様にして、x成分,y成分を考えることができます。
こうして得られたベクトルをと書いて、ベクトルの回転(rotation)と言います。つまり、
回転は、ベクトルが各点において渦を巻く効果を表しています。
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