九州工大情報数学'08年前期[4]

出席者n人の会議で、出席者のうち以上が議案に賛成する確率と、以上が賛成する確率を考える。各出席者が議案に賛成する確率をp ()とし、各出席者が賛成するかしないかは互いに独立であるとする。
たとえば、である。

(1) を求めよ。
(2) を示せ。
(3) が最も大きくなるときのpの値を求めよ。
(4) のとき、を示せ。
(5) のとき、 ()を求めよ。


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解答 出席者の以上が賛成する確率、などと言うと、「憲法改正」の確率でも考えているのかな、と、思ってしまいますが、(1)(4)はセンター試験の練習程度の問題で、(5)だけ少々技巧を使います。

(1) は、出席者3人で以上が賛成する確率です。2人が賛成するか、3人が賛成するか、です。
3人中2人が賛成して1人が反対する場合、反復試行の確率の公式より、その確率は、
 ・・・@
3人中3人が賛成する確率は、
......[]

(2)

(3)
とおくと、
とすると、
これより増減表は、
p0

1

00
00

増減表より、差が最も大きくなるとき、 ......[]

(4) 賛成する確率がのとき、反対する確率もです。
このとき、(1)の結果より、
 ・・・A
ですが、なので、
同様に、
よって、より、

(5) は、出席者3人で以上が賛成する確率です。2人が賛成するか、3人が賛成するか、なので、のとき、
は、出席者5人で、3人が賛成するか、4人が賛成するか、5人が賛成するか、なので、のとき、
同様に、
とくれば、どうやら、kに無関係にになりそうだ、と、気づきます。
で言えば、なので、
になっているんだろう、ということになり、二項定理を利用すればよいことがわかります。
二項定理:
において、
nx1とすることにより、
,・・・,より、
 ・・・B
は、出席者人で以上が賛成する確率です。
n人以上が賛成すればよいので、のとき、
Bより、 ......[]

追記,(4)で、問題文が、「を示せ」となっていて、不等号が等号付きになっているのが気になります。おそらく、最初に作成された問題の案では、という条件はついていなかったのだろうと思います。という条件をとってしまうと、は大変な計算になってしまうので、のときだけでよい、ということになったのでしょう。
ここでは、の関係だけでもとして調べておきます。
上記の@,Aより、

とおきます。


とすると、の解がどうなるのか問題になります。
そこで、とおいて、を調べます。


p0

1

0
11

増減表より、は、1α1β あることがわかります(関数の増減を参照)。これよりの増減表は以下のようになります。
p0
α
β
1
00 00
00

の増減表を見ると、の範囲に解γをもち、においては、においては、ということがわかります。


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