神戸大理系数学'09年後期[5]
a,b,c,dを実数()とし、k,l,m,nを自然数とする。実数xの関数
について、以下のことを示せ。
(1) a,b,c,dと異なるxに対して、
が成り立つ。
(2) の範囲のxに対して、 が成り立つ。
(3) 次の2つの条件を同時に満たす実数tが存在する。
(i)
(ii)
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解答 (3)は、(2)との関連が気づきにくいのですが、気づけてしまえば、(2)の不等式の左辺と右辺の動きを調べることにより解決します。
(1)
両辺にを加えて、 (1)の結果とより、 両辺にを加えて、 (1)の結果とより、 ・・・A
(3) 問題文の(i)と(ii)で言っていることは、方程式の解tが、 の範囲にある、ということです。この範囲の左端と右端は、 , これより、左端は、数直線上のとを、l:に内分するところにあり、右端は、:mに内分するところにあります。これで(2)が利用できそうだ、ということがわかります。(2)の不等式の左辺は、 (2)の不等式の右辺は、
と変形できます。つまり、方程式の解tは、(2)の不等式の左辺と右辺をゼロにする値の間にあるわけです。そこで、(2)の不等式の左辺と右辺を,とおいて、どんな変化をするかを調べてみます。 より、において、は単調減少で、,,方程式は、この範囲にただ1つの実数解をもちます。 より、において、は単調減少で、,,方程式は、この範囲にただ1つの実数解をもちます。(2)より、の範囲のxに対して、 ・・・B また、のとき、,,,,従って、,,,は定符号なので、も定符号でです。
よって、において、Bより、のグラフは、のグラフよりも上、のグラフよりも下を通るので、の連続性より、条件(i),(ii)を満たす実数tが存在します。
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