広島大理系数学'10年後期[1]
自然数のうち、2と8がどの桁にも現れないものを考え、それらを小さい方から重に並べた数列
1, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 10, 11, 13, 14, 15, 16, 17, 19, 30, 31, 33, ・・・
をとする。いま、自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数の個数をとする。例えばである。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) ,を求めよ。 (2) 自然数mに対し、を求めよ。 (3) 自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数の逆数の総和はより小さいことを示せ。 (4) すべての自然数nに対し、が成り立つことを示せ。
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解答 難問に見えますが、親切な誘導に沿って進めば標準問題です。試験会場でパスしないようにしましょう。
(1) 2桁の自然数で、10の位にも、1の位にも、2と8が現れない数は、
10の位が、1, 3, 4, 5, 6, 7, 9の7通り、1の位が、0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 9の8通り、
よって、 ......[答] (場合の数を参照)
3桁の自然数で、100の位にも、10の位にも、1の位にも、2と8が現れない数は、100の位が、1, 3, 4, 5, 6, 7, 9の7通り、10の位が、0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 9の8通り、1の位が、0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 9の8通り、
よって、 ......[答]
(2) のとき、m桁の自然数で、各桁に2と8が現れない数は、 の位が、1, 3, 4, 5, 6, 7, 9の7通り、
の位からの位まで、0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 9の8通り、
よって、 (のときも成り立ちます)自然数mに対し、 ......[答] (等比数列を参照)
(3) 自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数が、第k項から第l項まで(項数は)に位置しているとします。 , よって、自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数の逆数の総和はよりも小さくなります。
(4) (3)に出てくる数列の中にあるm桁の整数の逆数の総和をとします。(3)の結果より、 です。がM桁の整数だとすると、(3)の結果をからまでで考えることにより、 (2)の結果を用いると、Mは有限な値なので、
無限等比級数は、初項7,公比の無限等比級数ですが、公比の絶対値は1よりも小さいので、収束して和をもち、 以上より、
すべての自然数nに対し、が成り立ちます。
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