広島大理系数学'10年後期[1]

自然数のうち、28がどの桁にも現れないものを考え、それらを小さい方から重に並べた数列
1, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 10, 11, 13, 14, 15, 16, 17, 19, 30, 31, 33, ・・・
とする。いま、自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数の個数をとする。例えばである。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) を求めよ。
(2) 自然数mに対し、を求めよ。
(3) 自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数の逆数の総和はより小さいことを示せ。
(4) すべての自然数nに対し、が成り立つことを示せ。


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解答 難問に見えますが、親切な誘導に沿って進めば標準問題です。試験会場でパスしないようにしましょう。

(1) 2桁の自然数で、10の位にも、1の位にも、28が現れない数は、
10の位が、1, 3, 4, 5, 6, 7, 97通り、
1の位が、0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 98通り、
よって、
......[] (場合の数を参照)
3
桁の自然数で、100の位にも、10の位にも、1の位にも、28が現れない数は、
100の位が、1, 3, 4, 5, 6, 7, 97通り、
10の位が、0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 98通り、
1の位が、0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 98通り、
よって、
......[]

(2) のとき、m桁の自然数で、各桁に28が現れない数は、
の位が、1, 3, 4, 5, 6, 7, 97通り、
の位からの位まで、
0, 1, 3, 4, 5, 6, 7, 98通り、
よって、 
(のときも成り立ちます)
自然数mに対し、 ......[] (等比数列を参照)

(3) 自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数が、第k項から第l項まで(項数は)に位置しているとします。
のとき、
なので、すべての自然数
mに対し、
 (は、項の和)
よって、自然数mに対し、数列の中にあるm桁の整数の逆数の総和はよりも小さくなります。

(4) (3)に出てくる数列の中にあるm桁の整数の逆数の総和をとします。(3)の結果より、
です。M桁の整数だとすると、(3)の結果をからまでで考えることにより、
(2)の結果を用いると、Mは有限な値なので、
無限等比級数は、初項7,公比無限等比級数ですが、公比の絶対値は1よりも小さいので、収束して和をもち、
以上より、
すべての自然数
nに対し、が成り立ちます。


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