慶大理工数学'13[3]

(1) 座標平面上で、点Pが原点を出発して次の2つのルールに従って移動を繰り返し、原点から停止するまで移動した点を順に線分で結んでできるものを経路ということにする。
ルール1またはy4となる点に達するまで移動を繰り返し、その点で停止する。
ルール2:点の次に移動できるのは、3のうちいずれかの点である。ただし、原点およびこれまでに移動した点には移動しない。
このとき、点で停止する経路は全部で通りである。
また、すべての経路は通りであり、そのうち、点を通る経路は全部で通りである。

(2) aを実数とし、関数
を考える。の最小値はaであるとする。このとき、であり、で最小値でない極小値をとる。


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解答 (1)(2)は別の問題ですが、両方とも、細かい神経を使って丁寧に場合分けして調べて行く必要があります。なお、場合の数絶対値等式・不等式を参照してください。

(1) ルールより、点Pは上方向(y軸正方向)には移動できますが下方向には移動できません。
x軸に平行な直線上では一度右方向(x軸正方向)に動くと左方向には移動できません。また、一度左方向に動くと右方向には移動できません。
まず、点で停止する経路を考えます。
Pは、直線上では右に移動して点に到達するので、直線上では右に移動します。
直線上、
x軸上ではどちらの方向にも移動できて、7カ所のいずれかで上方向に移動することになります。x軸上ののどこで上方向に移動しても、直線上では、のどこでも上方向に移動できます。
従って、点で停止する経路は全部で通りあります。

() 49 ......[]
(
)と同様にして、点で停止する経路も49通りあります。
で停止する経路は
1通り、点で呈する経路も1通りです。
で停止する経路は、
x軸上ののどこで上方向に移動するか7通り、点で停止する経路も7通り。
で停止する経路は、
x軸上ののどこで上方向に移動しても直線上ではのどこでも上方向に移動できて、さらに、直線上においてものどこでも上方向に移動し、直線上で右方向に移動すれば点に到達します。よって、この経路は通りあります。
で停止する経路も
343通りあります。
さらに、直線上を移動してのどこかで上方向に移動すれば直線上に到達しますが、この経路の数は通りあります。
以上より、すべての経路は、通りあります。

() 3201 ......[]
を通る経路を考えるとき、に下から来るのか、右から来るのか、左から来るのかでから先の動き方が変わるので、場合分けして考えます。
(i) に下から来る場合、x軸上ののどこかで上方向に移動し、この後で上方向に移動するのですが、この経路は7通りあります。
から先は、直線上で左右にも移動できます。
・直線上で右に移動を続ければ点に到達し、左に移動を続ければ点に到達します。この経路が1通りずつあります。
から左右に動いた後、あるいは直接、直線上から上方向に移動するのが、のどこで移動するか7通りあります。この後、直線上で右に移動を続ければ点に到達し、左に移動を続ければ点に到達します。この経路が7通りずつあります。
・直線上ののどこかで上方向に移動すれば、直線上に到達します。この経路が通りあります。
以上で、通りの経路があります。
(ii) に右から来る場合、直線上では、のいずれかで上方向に移動したことになります。x軸上ではのどこで上方向に移動するか7通りあるので、に来るまでの経路は、通りあります。この後、
から左に移動し続ければ、に到達します。この経路が1通り。
から左に動いてから、あるいは直接、直線上から上方向に移動するのが、5通りあります。
この後、直線上を右に移動し続けてに到達するか、左に移動し続けてに到達するかが2通りあります。直線上ののどこか7ヶ所で上方向に移動すれば、直線上に到達します。
以上で、通りの経路があります。
(iii) に左から来る場合、直線上では、のどこか4通りで上方向に移動したことになります。x軸上ではのどこで上方向に移動するか7通りあるので、に来るまでの経路は、通りあります。この後、
から右に移動し続ければ、に到達します。この経路が1通り。
から右に動いてから、あるいは直接、直接上から上方向に移動するのが、3通りあります。
この後、直線上を右に移動し続けてに到達するか、左に移動し続けてに到達するかが2通りあります。直線上ののどこか7ヶ所で上方向に移動すれば、直線に到達します。
以上で、通りの経路があります。
を通る経路が全部で、通り。
() 1883 ......[]

(2) 絶対値記号内の正負で場合分けします。
(i) のとき、
 ・・・@
とすると、 ∴
以下、まず、として考えます。
()のとき、
この範囲においては増加関数なので、
 ・・・A
のとき、
この範囲においては減少関数なので、
 ・・・B
(ii) のとき、
 ・・・C
ここで、の場合を考えているので、
 ∴
のとき、
この範囲においては増加関数なので、
 ・・・D
のとき、
この範囲においては減少関数なので、
 ・・・E
A,B,D,Eより、の最小値はのうちの小さい方です。
より、が最小値で、
 ∴ (を満たします) ・・・F
今度は、として考えます。このときは、となり、
(i) のとき、であって、@より、
 ・・・G
(ii) のとき、であって、Cより、
 ・・・H
G,Hより、の最小値はです。このとき、となりますが、を満たさず不適です。
Fより、であり、で最小値でない極小値をとる。

()  ()  () ......[]


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