京大文系数学 '08 年 [5] 正 n 角形とその外接円を合わせた図形を F とする。 F 上の点 P に対して、始点と終点がともに P であるような、図形 F の一筆がきの経路の数を で表す。正 n 角形の頂点をひとつとって A とし、 とおく。また、正 n 角形の辺をひとつとってその中点を B とし、 とおく。このとき a と b を求めよ。 注:一筆がきとは、図形を、かき始めから終わりまで、筆を紙からはなさず、また同じ線上を通らずにかくことである。
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解答 文系学部の問題ですが、理系学部の問題よりも難しい気がします。理系の皆さんは、本問を文系の問題と軽く思わないようにしてください。 を考えてみましょう。 まず、 の場合、正 3 角形 ACD で考えてみます。 最初に A → C と進む場合と A → D と進む場合の一筆書きの経路数は同じなので、 A → C の方を考えます ( あとで 2 倍します ) 。円弧 AC 上を通るのか辺 AC 上を通るのか 2 通りあります。 C に来た後、 (i) C → A と進む場合、 CA 間は先に通らなかった方を通り、以後は、 A → D → C → D → A と進むしかありません。 AD 間、 DC 間は、それぞれ、円弧を通るのか辺を通るのか 2 通りあるので、経路数は 通りあります。 (ii) C → D と進む場合、 CD 間は 2 通り、 D に来た後、 D → C → A → D → A と進むか、 D → A → C → D → A と進むか、 D → A → D → C → A と進むかですが、いずれの場合も、 DA 間の進み方が 2 通りあり、経路数は 通りあります。 (i) , (ii) を合わせ、 通り。・・・@ 正 n 角形についていきなり考えるのは難しいので、 漸化式 を立てることを目指します。漸化式は、正 n 角形の場合と正 角形の場合を比較することになります。この 2 つの場合を比較しやすいように、正 n 角形の頂点を , ,・・・, ,正 角形の頂点を , ,・・・, , とします。 正 n 角形の場合、最初に を A として書き始め、 → と進む場合と、 → と進む場合とでは、それ以降の一筆書きの経路数は同じです。どちらか一方を考えておき 2 倍すれば が求められます。 そこで、正 n 角形の場合と正 角形の場合を比較しやすいように、 → と進む方を考えることにして、一筆書きの経路数を とします。 です。また、@より です。 正 角形の場合に、 → と進むときの一筆書きの経路数は です。 この場合、まず、 → と進むときに、外接円上を通るのか、正 角形の辺上を通るのか、 2 通りあります。・・・A 次に、 に来たときに、 (i) に戻ってしまうのか、 (ii) に行くのか、 2 つの場合があります。 (i) に戻るときは、 → と進んだときに通らなかった方を通るので 1 通りしかありません。そして、 に戻った以降は、 → → ・・・ → → → → ・・・ → → と進むしかありません。この間 個の頂点間 ( 頂点と頂点の間は n 個 ) を、行き帰りのどちらで、外接円上を通るのか、辺上を通るのか、 通りあります。 (ii) に行く場合、途中どの経路を通るのかはさておいて、いずれは に来るのですが、既に、 → と進んできた後なので、 と の間の経路は、 → → と進むにせよ、 → → と進むにせよ、円弧と辺のうち 1 本しか残っていません。であれば、 と の間の経路を考える意味はない のです。そこで、 と を合わせて 1 つの点とみなして経路数を数えてしまうことにします。すると、 → と進み に来た後の経路数は、正 n 角形で → と進む場合の経路数 通りになります。 (i) , (ii) を合わせて、Aを考慮すると、 ∴ 両辺を で割って、 数列 は、初項: ,公差: 1 の 等差数列 で、 ∴ ∴ ......[ 答 ] を考えます。 まず、 の場合、正三角形 ACD で考えてみます。点 B は辺 AC の中点だとします。 最初に B → A と進む場合と B → C と進む場合の一筆書きの経路数は同じなので、 B → A の方を考えます ( あとで 2 倍します ) 。 A に来た後、 (i) A → C と進む場合、以後は、 C → D → A → D → C と進むしかありません。 CD 間、 AD 間は、それぞれ 2 通りあり、経路数は 通りあります。 (ii) A → D と進む場合、 AD 間が 2 通り、 D に来た後、 D → A → C → D → C と進むか、 D → C → D → A → C と進むか、 D → C → A → D → C と進むかですが、いずれの場合も DC 間の進み方が 2 通りあり、経路数は 通りあります。 (i) , (ii) 合わせて、 通り。・・・B この場合も漸化式を立てることを考えます。 正 n 角形の頂点を , ,・・・, ,正 角形の頂点を , ,・・・, , とします。辺 の中点を B とします。 正 n 角形の場合、最初に B から書き始め、 B → と進む場合と、 B → と進む場合とでは、それ以降の一筆書きの経路数は同じです。どちらか一方を考えておき 2 倍すれば が求められます。 B → と進む方を考え、一筆書きの経路数を とします。 です。また、@より です。 正 角形の場合に、 B → と進むときの一筆書きの経路数は です。 この場合、まず、 → と進むときに、外接円上を通るのか、正 角形の辺上を通るのか、 2 通りあります。・・・C 次に、 に来たときに、 (i) に戻ってしまうのか、 (ii) に行くのか、 2 つの場合があります。 (i) に戻るときは、 → と進んだときに通らなかった方を通るので 1 通りしかありません。そして、 に戻った以降は、 → → ・・・ → → → → ・・・ → と進むしかありません。この間 n 個の頂点間 ( 頂点と頂点の間は 経路 ) を、行き帰りのどちらで、外接円上を通るのか、辺上を通るのか、 通りあります。 (ii) に行く場合、既に、 → と進んできた後なので、 のときと同様に、 と を合わせて 1 つの点とみなして経路数を数えてしまうことにします。すると、 → と進み に来た後の経路数は、正 n 角形で → と進む場合の経路数 通りになります。 (i) , (ii) を合わせて、Cを考慮すると、 ∴ 両辺を で割ると、 数列 は、初項: ,公差: の等差数列です。 ∴ ∴ ∴ ......[ 答 ] 【広告】ここから広告です。ご覧の皆さまのご支援ご理解を賜りたく、よろしくお願いいたします。
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