京大理系数学'12年[6]
さいころをn回投げて出た目を順に,,・・・,とする。さらに、
によって,,・・・,を定める。
となる確率を求めよ。
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解答 問題文を見てギョッとしますが、問題文の不等式が成り立つ事象の余事象を考え、それを2つの場合に分けて考えると、問題のカラクリが見えてきます。
のとき、となるのは、より、,なので、のときだけです。
従って、 ・・・@
ここで(*)を使ってのときの状況からのときの状況を考えることになります。
(**)でとした不等式と、とした不等式を考え、の範囲との範囲を調べることになります。そこで、の範囲について、手がかりを得ておくことにします。
はさいころの目なので1から6のいずれかです。(*)より、はさいころの目よりも僅かに大きな数で、となりそうです。
nが自然数のとき、であることが予想し、これを数学的帰納法で示しておくことにします。
のとき、です。 従って、数学的帰納法により、自然数nに対して、 ・・・A です。
のとき、より、が条件(*)を満たすことはありません。つまり、を満たすのは、のときか、のときだけです。
さいころをn回投げた状況から、回投げた状況を考えます。
n回投げたとき、(**)が満たされているときと、満たされていないときに分けて調べます。
(1) さいころをn回投げたとき、(**)が満たされていたとします。こうなる確率はです。このとき、 , ですが、,なので、 ・・・B (確率)のとき、Bは、 となり、条件(**)は必ず満たされます。 ・・・C (確率)のとき、Bは、 となり、条件(**)は必ず満たされます。 ・・・D
(2) さいころをn回投げたとき、(**)が満たされていないとします。こうなる確率はです。このとき、 または ですが、の範囲が2つに分かれているので、別々に考えます。 (i) のとき、Aを考慮して、,よって、 ・・・E (確率)のとき、Eは、 となり、より、条件(**)は必ず満たされます。 ・・・F (確率)のとき、Eは、 となり、条件(**)は満たされません。
(ii) のとき、Aを考慮して、,よって、 ・・・G (確率)のとき、Gは、 となり、条件(**)は満たされません。 (確率)のとき、Gは、 となり、条件(**)は必ず満たされます。 ・・・H
上記でC,Dが起こる確率は,Fが起こる確率は、となる確率をとしてです。Hが起こる確率は、となる確率をとしてです。
上記の検討より、さいころを回投げたとき、となる場合は、C,D,F,Hのいずれかに限られます。従って、その確率は、
・・・I となります。ここで、確率は、またはとなる事象の確率ですが、この事象はとなる事象の余事象です。よって、
これより、Iは、
・・・J として、
・・・K ∴ J−Kより、
数列は、@より、初項:,公比:の等比数列です。
よって、
∴ ......[答]
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