極座標   関連問題


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平面上の点Pの位置を、原点Oからの距離と、原点Oを端点とする半直線OXから反時計回りに半直線OPまで測った角を指定することによって定めることができる。
rθ の組を点P極座標と言う。
また、原点
O、半直線OX始線、角θ 偏角と言う。
OXに重なるようにx軸をとり,Oを通りOXと垂直な直線をy軸とし、の方向をx軸正方向、の方向から反時計回りに回った方向をy軸正方向とする直交座標系上において、点Pの座標をとすると、

の関係がある。
また、
(のとき)
の関係がある。のときは、とする。
Pがある曲線上の点であるとき、極座標で、点Pの位置を考えて、rθ の関係を表した方程式を、極方程式と言う。
通常、極方程式は、などの形で表す。

地球上で、船の位置や、台風の位置を考えるときに、「東経
139度、北緯35度」と言うように指定します。英国グリニッジ天文台と、北極、南極を通過して、地球の表面を一周する円周をグリニッジ子午線と言いますが、139度というのは、子午線から測った角です。35度は赤道から測った角です。
物体の位置を考えるのに、必ずしも正方形のマス目を並べて、直交座標系で
xがいくつyがいくつ、というように座標を指定するだけでなく、原点からの距離と角で位置を指定する、という、全く異なった見方ができます。これが、極座標です。
右図でわかるように、極座標でであった座標を、直交座標系
(xy座標系)に変換する場合には、

という公式を使います。
また、直交座標系
(xy座標系)という座標であったものを、極座標のに変換するときには、

という公式を使います。



(1) Oを中心とする半径a ()の円の極方程式:
(2) Oを通り、始線と角α ()をなす直線の極方程式:
(3) 始線と角α ()をなし、極Oからの距離がである直線の極方程式: (のとき、xy座標系でy切片が正,のとき、xy座標系でy切片が負)
(4)
直線 (,極Oを通り、始線と角αをなす直線)と直交し、極Oからの距離がである直線の極方程式: (のとき始線と交わり、のとき始線と交わらない)
(5)
Cを中心とし、半径aの円の極方程式:
(6) Oを焦点,始線に垂直で極Oからの距離がhである直線()を準線とし、離心率e2次曲線の極方程式: (複合同順。+のとき準線は始線と交わり、−のとき準線は始線と交わらない)

(1)
Oを中心とする半径a ()の円周上の点は、極Oからの距離がaで一定なので、極方程式は、

となります。


(2) Oを通り、始線と角α ()をなす直線上の点の偏角θ は、極Oを除いて、αで一定です。この直線の極方程式は、

となります。


(3) 直交座標系において、

という方程式で与えられる直線の極方程式を考えます。

を代入すると、
 ・・・@
左辺において、
三角関数の合成を行うと、

但し、
よって、とおけば、直線の極方程式
 ・・・A
が得られます。
A式は、右図のように、直線Aが直線と平行で、極
Oと直線Aとの距離がであることを示しています。
のとき、より、なので、の符号は、直線の
y切片の符号と一致します。

(4) 上記(3)の@式で正弦の合成ではなく、余弦の合成を行ってみます。
余弦の加法定理:
より、@を、

但し、
よって、とおけば、直線の極方程式
 ・・・B
が得られます。
B式は、右図のように、直線Bが直線と垂直で、極
Oと直線Bとの距離がであることを示しています。
のとき、より、なので、の符号は、直線の
x切片の符号と一致します。

(5) 直交座標系で、を中心とする半径aの円の方程式は、

となります。
展開して整理すると、

中心が極座標でになったとすると、

これを代入し、とすると、


これで、円の極方程式

が得られます。
この式は、右図のように、三角形
OPC余弦定理を適用し、

として得られる式です。


(6) 極座標で2次曲線を考える場合には、離心率を考えます。離心率が曲線上のすべての点で一定である曲線が2次曲線です。
右図において、焦点
Fが極となるような極座標を考え、準線が始線と垂直で、焦点から準線までの距離がhだとします。
右図
1では、準線:は焦点の左側にあって、始線とは交わらず、右図2では、準線:は焦点の右側にあって、始線と交わります。
曲線上の点
Pから準線に垂線PHを下ろすと、離心率:は、右図1では、

右図
2では、

両者まとめて
(以下、複号同順)、準線をとして、曲線の式は、

分母を払って整理すると、 
(−が右図1,+が右図2)
これが、2次曲線の極方程式で、の場合に楕円、の場合に放物線、の場合に双曲線になります。
極方程式:で表される
2次曲線の直交座標系における方程式を求めてみます。
分母を払って、
より、
両辺を
2乗して、
より、

の場合には、

これは放物線です。
の場合は、左辺を
xに関して平方完成し、

両辺をで割ると、
の場合には、

これは楕円です。
の場合には、

これは双曲線です。



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