東工大数学'05年前期[1]
eを自然対数の底とし、数列を次式で定義する。
() (1) のとき、次の漸化式を示せ。 (2) に対しなることを示せ。 (3) のとき、以下の不等式が成立することを示せ。
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このタイプの問題では、普通は部分積分によって漸化式を導きます。
この問題でも部分積分することを考えます。
被積分関数は、と見て、1をとして部分積分を行います。のとき、 ∴ ・・・@ (という番号が出てくるので、という制限をつける必要があります。)番号を1つずらして、 ・・・A (の係数がnでなく、となることに注意すること。また、という番号が出てくるので、という制限をつける必要があります)@−Aより、 ()∴ ()
(2) 関数は、において、でのみで、においては,よって、 ()
(3) (1)と(2)とからとに関する関係を作って数学的帰納法というストーリーになるだろうと見当をつけます。 だとすると、 のようになるので、
という形の不等式を作ることを目標にします。
また、 (不定積分の公式を参照)
(1)の結果においてnをに置き換えると、 () ・・・B との関係を調べることになりますが、Bのが邪魔になります。
これを消すために、(2)のnをに置き換えて、,従って、
Bに適用すると、 ∴ ・・・C
Cを用いて、数学的帰納法により与不等式を示します。(T) のとき、@を用いて、 との大小関係を比べればよいのですが、 1次方程式:を解くと、なので、
を満たす数として、例えば、をもってくると、であって、 ∴ ∴ よって、のとき、与不等式が成り立ちます。(U) のとき、与不等式が成り立つと仮定する。このとき、 が成り立ちます。
Cより、
よって、のときも、与不等式が成り立ちます。(T),(U)より、のとき、与不等式が成り立ちます。
注.結局、Cを繰り返し用いれば、 となっています。
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