東工大数学'09年前期[2]
実数aに対し、次の1次変換
を考える。以下の2条件をみたす直線Lが存在するようなaを求めよ。
(1) Lは点を通る。 (2) 点QがL上にあれば、そのfによる像もL上にある。
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解答 ‘97年の入試まで頻出であった不動直線の問題ですが、1次変換の行列表現を与えて不動直線を求めよ、というのではなく、不動直線をもつ条件を求めよ、という問題になっています。
(1)の条件より、直線Lを、 (kは実数の定数)またはと表すことができます。
(i) 直線Lがの場合、 (t は任意の実数)として、 もまた直線L:上の点になるので、 整理して、
t は任意の実数なので、
とすると、なので、
よって、,つまり、となりますが、
とすると、なので、
とすると、
∴ (このとき、L:) (ii) 直線Lがの場合、 (t は任意の実数)として、 もまた直線L:上の点になるので、 t は任意の実数なので、(i),(ii)より、 ......[答] 追記.行列が表す1次変換で、直線: (),直線:上の点が、各々、もとの直線上に移る条件を考えてみましょう。
直線:上の点の座標は、tを実数として、とおけます。
(この場合はとします) より、移った先の点が再び直線:上に来る条件は、
tについて整理して、
tに関わらず成立する条件は、より、
bをかけて整理すると、
・・・@ これは、Aの固有値を求める方程式:
において、としたであって、Aが固有値1を持つことを意味しています。
直線:上の点の座標は、tを実数として、をおけます。
より、移った先の点が再び直線:上に来る条件は、
tについて整理して、
tに関わらず成立する条件は、
(i) ,の場合は@に含まれます。つまり、Aが固有値1を持ちます。 (ii) ,の場合は、の形であればよいことになります。 (i)は、本問では、
∴
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