電子 関連問題
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1838年、ファラデーは、ガラス管の中に陽極と陰極を入れて空気を抜いていくと、両極間に電流が流れ、管内が紫色に輝くことに気づきました。以後19世紀中葉に、ドイツ人のプリュッカー、ガイスラーらによって、真空放電の研究が進みます。真空度を高めると管内に緑色の蛍光を生じ、磁石を近づけると蛍光部分が動くのです。ヒットルフは、陰極と蛍光部分の間に衝立を置くと、衝立の影ができることを発見し、陰極から何かが飛び出し直進することを確認しました。後に、ゴルトシュタインによって、陰極線と命名されました。ストーニーは物理量には最小単位があると主張し、後のプランクの量子仮説のアイデアを提供したのですが、陰極線についても最小単位があると考え、「電子」(electron)と呼びました。
1897年、J.J.トムソンは、右図のような装置を用いて、陰極線が負電荷を持った粒子の流れであると結論し、この粒子の比電荷を求めました。
陰極から飛び出した質量mの負電荷を加速電圧で速さvまで加速すると、
∴ ・・・@ この負電荷の流れである陰極線を挟むように上から下の方向に電界E,前から後の方向に磁束密度Bの磁界をかけます。負電荷が速さvで右向きに電磁場内に入射し直進するとき、電界から上向きに大きさの力を受け、磁界から下向きに大きさの力を(ローレンツ力を参照)受け、この2力のつり合いにより、
∴ ・・・A 磁界を取り除くと、電界内に入射した質量mの負電荷は、電界から上向きに大きさの電気力を受け放物運動をします。負電荷の運動方程式は、上向きの加速度の大きさをaとして、
∴ 負電荷が速さvで電界中を距離l進むのに要する時間は,この間の負電荷の軌道の上方向のずれdと、電界から抜け出すときの上方向の速度成分は、等加速運動の公式より、
蛍光面上にできる輝点と直進したときの陰極線が直進する方向とがなす角をθとして、
蛍光面上で輝点と直進陰極線とのずれをyとして、
・・・B このにAを代入すると、
この結果により、蛍光面上でのずれyを測定して比電荷を求めることができます。こうして、J.J.トムソンは、という値を求めました。水素イオンと陰極線粒子とで電荷の大きさが同じであれば、水素イオンと陰極線粒子の質量の比はほぼ1800:1になることがわかりました。
Bのに@を代入すると、電界Eをかけている極板間距離をa,電圧をVとして、
ずれyは電圧Vに比例します。上図ではVは、陰極線に上下方向に電界を加える電圧ですが、同様に前後方向にも電圧を加えることにより、蛍光面上の輝点を2次元的に動かすことができます。こうして得られた映像装置はブラウン管と呼ばれ、20世紀後半にテレビ受像装置として一世を風靡しましたが、2000年代より液晶テレビに置き換わっていきました。
ナトリウムの炎色反応を調べていたゼーマンは、1896年、ナトリウム・ランプに磁界をかけると、スペクトルの幅が広がること(ゼーマン効果)を発見しました。後に、ローレンツにより電子の運動による説明がなされ、そこから得られる比電荷の値がトムソンの陰極線粒子の比電荷に一致し、電子の存在は確実になりました。
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