東京工業大学2002年前期物理入試問題
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[1] 図に示す平行板コンデンサーの極板は、一辺の長さがaの正方形である。図の中に斜線を引いて示してある導体板は、一辺の長さがaの正方形で厚さは
である。図の中の電池の起電力は
である。
コンデンサーの下側の極板の位置は固定されている。下側の極板の左側を図のようにx,y座標の原点Oとする。x軸とy軸に垂直な方向にz軸をとり、点Oをz軸の原点とすると、両極版と導体板はいずれも
から
までの範囲にある。導体板は
から
の間にある。
外力を加えながらコンデンサーの上側の極板を
の状態①から
の状態②まで十分ゆっくり移動させる。続いて、上側の極板の位置も固定して、導体板をx方向に十分ゆっくり移動させて状態③にする。このとき導体板の右端は
から
まで移動する。
コンデンサーの極板間の距離がbで極板間に導体板が入っていないときの電気容量をCとする。aはbに比べて十分に大きいものとする。以下の問いに、変数としては導体板の右端の位置x,上側の極板の位置y,定数としてはa,b,C,
のみを用いて答えよ。
[A] スイッチSを閉じてコンデンサーを充電させた後、このスイッチを閉じたまま状態①から②,そして更に状態②から③へ変化させる。
(a) ①から②への途中でのコンデンサーの電気容量
を求めよ。 (b) ②から③への途中でのコンデンサーの電気容量
を求めよ。 (c) ①から②への途中においてコンデンサーにたくわえられている静電エネルギー
,②から③への途中においてコンデンサーにたくわえられている静電エネルギー
をそれぞれ求め解答欄に書け。そして、それらを解答欄の例にならって横軸の始点と終点とその中間点の座標およびそれらに対応する縦軸の座標を明示してグラフで示せ。方向を示すためにグラフに矢印もつけよ。 (d) 極板や導体板を十分ゆっくりと移動させるために加える外力の方向と極板や導体板の移動の方向が同じ場合は外力が正の仕事をなしたと呼ぶ。方向が反対な場合は外力が負の仕事をなしたと呼ぶ。①から②への変化、および②から③への変化のそれぞれについて、次のア,イ,ウ,エの中から当てはまるものを1つ選べ:
ア:外力がなした仕事は正で、コンデンサーの静電エネルギーは増加した。
イ:外力がなした仕事は正で、コンデンサーの静電エネルギーは減少した。
ウ:外力がなした仕事は負で、コンデンサーの静電エネルギーは増加した。
エ:外力がなした仕事は負で、コンデンサーの静電エネルギーは減少した。
(e) ①から②へ変化した際に電池がなした仕事
,および②から③へ変化した際に電池がなした仕事
を求めよ。
[B] 上の[A]の状態①のようにコンデンサーを充電させた後、スイッチSを開き、状態①から②へ、そして更に②から③へ変化させる。
(f) ①と②の途中でのコンデンサーの静電エネルギー
,および②と③の途中でのコンデンサーの静電エネルギー
を求めよ。 (g) ①から②へ変化したときに外力がなした仕事
,および②から③へ変化したときに外力がなした仕事
を求めよ。 [解答へ]
[2] 図のように液体の入った円筒状の容器の中に、熱をよく通すシリンダーがさかさまに浮いている。容器とシリンダーにはそれぞれ、気密性を保ちながら滑らかに動き質量が無視できるピストンがついている。シリンダーには質量が無視できるn[mol]の理想気体が入っており、シリンダーのピストンと容器の底は質量が無視できるバネでつながれている。容器とシリンダーの断面積はそれぞれ
,S
,液体の密度はρ
,外気圧は
[Pa],気体定数はR
,重力加速度はg
とする。シリンダーの軸は常に鉛直方向に保たれており、容器とシリンダーのピストンの厚さおよびシリンダーの底の厚さは無視できるものとする。
[A] シリンダーは液面下d[m]のところに静止しており、シリンダーの底からピストンまではh[m]であり、バネは自然長であった。このとき、
(a) シリンダー内の気体の圧力P [Pa]および温度T [K]を求めよ。
(b) シリンダーの質量M [kg]を求めよ。
[B] 液体と気体の温度をともにT [K]から
[K]に上昇させ、容器のピストンの上に質量W[kg]のおもりをのせると、シリンダーは静止し、バネはふたたび自然長に戻った。液体の密度および外気圧は変化しないものとして、次の問に答えよ。 (c) シリンダー内の気体の体積
および圧力
[Pa]を求めよ。 (d) おもりの質量W[kg]を求めよ。
[C] [A]の状況でバネを取りはずす。このとき次の問いに答えよ。ただし、液体と気体の温度は変化しないものとする。
(e) シリンダーを[A]の位置から微小な距離x[m]上昇させると、シリンダーのピストンも[A]の位置からy[m]上昇した。xをyで表せ。ただし、
のときのシリンダー内の気体の圧力をP[Pa]とし、また、
はSに比べて十分大きく容器のピストンの位置の変化は無視できるものとする。 (f) このとき、シリンダーに働く合力F[N]を上向きを正として求め、その結果を用いてシリンダーが上下方向の変位に対して不安定である理由を40字以内で述べよ。 [解答へ]
[3] 質量mの小球の両側に自然長が
のゴムひも1と
のゴムひも2の一端をつなぎ、図のようにこの小球を水平に置かれた長さLの真っ直ぐなレールの上に置く。2本のゴムひもの他端は、レールの両端に固定された支柱につないだ。このときいずれのゴムひもも自然長よりも伸びていた。ゴムひもを自然長から
引き伸ばすと
に比例する復元力が働く。復元力の比例定数は、ゴムひも1ではk,ゴムひも2では
である。図のようにつりあいの位置をx軸の原点とし、ゴムひも2のある右方向をx軸の正の向きとして小球の位置をxで表すものとする。なお、小球は、レールの上を摩擦なく運動するものとし、たるんだゴムひもにより運動が妨げられることはないものとする。また、ゴムひもの質量は無視できるものとする。
[A] 小球が原点にある場合について考える。
(a) ゴムひも1と2のそれぞれの自然長からの伸び
と
を求めよ。
[B] 小球をxまで変位させたとき小球が2本のゴムひもから受ける合力Fを考える。なお、力Fの符号は、x軸の向きと同様に右向きを正とする。
(b) Fとxの関係を表すグラフを
の領域について示せ。なお、この範囲の変位では、小球は支柱にぶつからないものとする。また、答案用紙のグラフでは、変位と力の単位をそれぞれ
,
として表していることに注意せよ。また、特徴的な点の座標については、その数値をグラフ中に記入せよ。
[C] 小球を
(
)で静かに放した場合の小球の運動を考える。 (c) 小球の加速度をaとして小球に対する運動方程式を導き、運動の周期Tを求めよ。なお、加速度aの符号は、x軸の向きと同様に右向きを正とする。
[D] 小球を
で静かに放した場合の小球の運動について以下の問いに答えよ。なお、以下の問いでは、必要な場合には、
を用いて解答せよ。 (d) 小球がx軸の負の領域にある場合に、変位の絶対値が最大となる小球の座標
を求めよ。 (e) 以上の考察にもとづいて次の文章中の①から⑦の に当てはまる適当な式、または、数値を解答欄に記入せよ。
小球はx≧ ① の領域では、x= ② を中心とする振幅 ③ で周期T= ④ の単振動の一部となる運動をする。また、x≦ ① の領域では、x= ⑤ を中心とする振幅 ⑥ ,周期T= ⑦ の単振動の一部となる運動をする。全体として両者が、x= ① で滑らかに接続されたものとなる。 [解答へ]
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