共通テスト数学IIB '21年第3問 

[3]
 以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて本問末尾の正規分布表を用いてもよい。

Q高校の校長先生は、ある日、新聞で高校生の読書に関する記事を読んだ。そこで、Q高校の生徒全員を対象に、直前の1週間の読書時間に関して、100人の生徒を無作為に抽出して調査を行った。その結果、100人の生徒のうち、この1週間に全く読書をしなかった生徒が36人であり、100人の生徒のこの1週間の読書時間()の平均値は204であった。Q高校の生徒全員のこの1週間の読書時間の母平均をm,母標準偏差を150とする。

(1) 全く読書をしなかった生徒の母比率を0.5とする。このとき、100人の無作為標本のうちで全く読書をしなかった生徒の数を表す確率変数をXとすると、Xに従う。また、Xの平均(期待値)、標準偏差はである。
については、最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。
 正規分布    二項分布
 正規分布    二項分布
 正規分布    二項分布
(2) 標本の大きさ100は十分に大きいので、100人のうち全く読書をしなかった生徒の数は近似的に正規分布に従う。
全く読書をしなかった生徒の母比率を0.5とするとき、全く読書をしなかった生徒が36人以下となる確率をとおく。の近似値を求めると、である。
また、全く読書をしなかった生徒の母比率を
0.4とするとき、全く読書をしなかった生徒が36人以下となる確率をとおくと、である。
については、最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。
 0.001     0.003     0.026
 0.050     0.133     0.497
の解答群
         
(3) 1週間の読書時間の母平均mに対する信頼度95%の信頼区間をとする。標本の大きさ100は十分大きいことと、1週間の読書時間の標本平均が204、母標準偏差が150であることを用いると、.であることがわかる。
また、母平均mについては、
の解答群
 が必ず成り立つ
 は必ず成り立つが、が成り立つとは限らない
 は必ず成り立つが、が成り立つとは限らない
 も成り立つとは限らない
(4) Q高校の図書委員長も、校長先生と同じ新聞記事を読んだため、校長先生が調査していることを知らずに、図書委員会として校長先生と同様の調査を独自に行った。ただし、調査期間は校長先生による調査と同じ直前の1週間であり、対象をQ高校の生徒全員として100人の生徒を無作為に抽出した。その調査における、全く読書をしなかった生徒の数をnとする。
校長先生の調査結果によると全く読書をしなかった生徒は36人であり、
の解答群
 nは必ず36に等しい    nは必ず36未満である
 
nは必ず36より大きい    n36の大小はわからない
(5) (4)の図書委員会が行った調査結果による母平均mに対する信頼度95%の信頼区間を,校長先生が行った調査結果による母平均mに対する信頼度95%の信頼区間を(3)とする。ただし、母集団は同一であり、1週間の読書時間の母標準偏差は150とする。
このとき、次ののうち、正しいものはである。
の解答群
(解答の順序は問わない。)
 が必ず成り立つ。
 またはのどちらか一方のみが必ず成り立つ。
 またはとなる場合もある。
 が必ず成り立つ。
 が必ず成り立つ。
 が必ず成り立つ。

正規分布表
次の表は、標準正規分布の分布曲線における右図灰色
部分の面積をまとめたものである。

0.000.010.020.030.040.050.060.070.080.09
0.00.00000.00400.00800.01200.01600.01990.02390.02790.03190.0359
0.10.03980.04380.04780.05170.05570.05960.06360.06750.07140.0753
0.20.07930.08320.08710.09100.09480.09870.10260.10640.11030.1141
0.30.11790.12170.12550.12930.13310.13680.14060.14430.14800.1517
0.40.15540.15910.16280.16640.17000.17360.17720.18080.18440.1879
0.50.19150.19500.19850.20190.20540.20880.21230.21570.21900.2224
0.60.22570.22910.23240.23570.23890.24220.24540.24860.25170.2549
0.70.25800.26110.26420.26730.27040.27340.27640.27940.28230.2852
0.80.28810.29100.29390.29670.29950.30230.30510.30780.31060.3133
0.90.31590.31860.32120.32380.32640.32890.33150.33400.33650.3389
1.00.34130.34380.34610.34850.35080.35310.35540.35770.35990.3621
1.10.36430.36650.36860.37080.37290.37490.37700.37900.38100.3830
1.20.38490.38690.38880.39070.39250.39440.39620.39800.39970.4015
1.30.40320.40490.40660.40820.40990.41150.41310.41470.41620.4177
1.40.41920.42070.42220.42360.42510.42650.42790.42920.43060.4319
1.50.43320.43450.43570.43700.43820.43940.44060.44180.44290.4441
1.60.44520.44630.44740.44840.44950.45050.45150.45250.45350.4545
1.70.45540.45640.45730.45820.45910.45990.46080.46160.46250.4633
1.80.46410.46490.46560.46640.46710.46780.46860.46930.46990.4706
1.90.47130.47190.47260.47320.47380.47440.47500.47560.47610.4767
2.00.47720.47780.47830.47880.47930.47980.48030.48080.48120.4817
2.10.48210.48260.48300.48340.48380.48420.48460.48500.48540.4857
2.20.48610.48640.48680.48710.48750.48780.48810.48840.48870.4890
2.30.48930.48960.48980.49010.49040.49060.49090.49110.49130.4916
2.40.49180.49200.49220.49250.49270.49290.49310.49320.49340.4936
2.50.49380.49400.49410.49430.49450.49460.49480.49490.49510.4952
2.60.49530.49550.49560.49570.49590.49600.49610.49620.49630.4964
2.70.49650.49660.49670.49680.49690.49700.49710.49720.49730.4974
2.80.49740.49750.49760.49770.49770.49780.49790.49790.49800.4981
2.90.49810.49820.49820.49830.49840.49840.49850.49850.49860.4986
3.00.49870.49870.49870.49880.49880.49890.49890.49890.49900.4990


解答 本格的な統計の問題です(確率分布と統計的予測を参照)

(1) 全く読書をしない生徒の確率が人の生徒を抽出するので、全く読書をしない生徒数Xは、二項分布に従います。
ア 3 ......[]
X
の平均は、
イ 
5 ウ 0 ......[]
X
の標準偏差は、
エ 
5 ......[]
(2) 全く読書をしない生徒数Xは、平均50,標準偏差より、近似的に正規分布に従います。とおくと、Zは近似的に標準正規分布に従います。より、正規分布表ののところ読んで0.4974,全く読書をしない生徒が36人以下となる確率は、で、この近似値は
オ 1 ......[]
読書をしない生徒の母比率を0.4とすると、母平均は40,標準偏差はになるので、とおくと、Zは近似的に標準正規分布に従います。正規分布表ののところを読んでほぼ0.29くらいなので、,よって、
カ 
2 ......[]
(3) 信頼度95%というのは、確率0.95ということで、正規分布表の値がになるところでです。母標準偏差が150,標本数が100なので(推定を参照)
 ∴
 ・・・@
よって、

キ 
4 ク 0 ケ 8 ......[]

コ 5 サ 8 シ 8 ......[]
信頼度95%というのは、信頼度100%(@が必ず成り立つ)と比べて5%抜ける部分があるということなので、必ずしも@が成り立つわけではありません。つまり、母平均mについては、
ス 
3 ......[]
(4) 2回調査を行ったとき、各回でどの生徒が標本に選ばれるのか、ということについては何も言えないので、全く読書をしない生徒数についても何も言えません。つまり、2回の調査における、全く読書をしない生徒数、n36の大小はわかりません。(母集団と標本を参照)
セ 3 ......[]
(5) 図書委員会が行った調査における、読書時間の標本平均をMとすると、推定される母平均mについて(推定を参照)
 ∴
@は、
となり、

Mの値によって、両調査の95%信頼区間が重ならない、つまり、またはとなる場合があり得ます。また、
より、,つまり、同じ母集団に対して標本の大きさが同じなら、信頼区間の幅は等しくなります。よって、正しい選択肢は
ソ 
2 タ 4 ......[]



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