母集団と標本   関連問題


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TV番組や、新聞紙上で、内閣支持率、政党支持率などの世論調査結果が伝えられることがあります。
このときに、よく
RDD(Random Digit Dialing)方式により調査しました、という注意がつきます。RDDというのは、乱数表で発生させた電話番号に電話をかけて、内閣を支持するかしないか、どの政党を支持するかを回答者に聞くことになります。だいたい、2000件くらいに電話をかけ1000件くらいから回答を得て、内閣支持率、政党支持率を調べています。
ですが、ここで、自分のところには聞きに来ていないし、仕事中で電話に出られない人の声は無視するのか、この調査結果は信じられるのだろうか、という疑問が湧きます。日本全体で
1億人ほどの有権者がいて、そのうちの僅か1000人の意見を調べて何がわかるのか、と感じる人がいるかも知れません。
一方で、国勢調査という調査があります。日本の人口、有権者数を確定するための調査ですが、これは日本に居住する人全員を対象として調査を行う必要があります。漏れる人がいたら、その時点で調査結果は無意味になってしまうので、調査員は大変な苦労を強いられます。
国勢調査のような調査を全数調査、世論調査のような調査を標本調査と言います。調査を行う目的となる性質を有するもの全体の集合を
母集団と言います。母集団全体を調査対象とするのが困難なとき、母集団から抜き出した調査対象の集合を標本、母集団から標本を抜き出すことを抽出といいます。母集団、標本の要素の個数を、それぞれ、母集団の大きさ標本の大きさ、と言います。
100人の母集団から10人の標本を抽出するとき、通りの選び方(組み合わせを参照)がありますが、この通りがすべて同様に確からしいとき、この抽出を無作為抽出、抽出された標本を無作為標本と言います。世論調査を行うときは、現実には困難ですが、抽出された標本が恣意的な選択のもとに選ばれたものでないか注意が必要です。世論調査を行う団体によって、結果が異なってしまうのは、標本抽出に何らかの恣意が加えられている、ということを意味します。

大きさ
Nの母集団の要素各々について、確率変数Xが値,・・・,をとるとき、確率変数Xの平均(期待値)、分散、標準偏差は、
(とします)(とします)
となりますが、これらを、母平均母分散母標準偏差と言います。
この母集団から、大きさ
nの標本を無作為に抽出し、抽出された要素各々について、確率変数Xが値,・・・,をとるとき、確率変数Xの平均(期待値),分散,標準偏差Sは、
ですが、これらを、標本平均標本分散標本標準偏差と言います。
母集団からどの要素を選び出すかは色々
(母平均よりも大きい要素ばかり選ぶ、とか、最大値・最小値に近いものばかり選ぶ、というようなことも起こりえます)なので、mσSは、通常は一致しません。標本を抽出すること自体が一つの試行なので、Sもまた確率変数です。
母集団から
n個の要素を抽出するとき、各々の抽出が復元抽出である場合(上記の世論調査で言えば、同じ人のところに複数回、調査の電話がかかってくることがあり得ます)、各々の復元抽出は独立です(同時分布を参照)
として、
k回目の抽出で得られる値は、母集団の要素が取り得る値のすべてになり得るので、これを確率変数とすると、の平均は母平均mであって、です。「和の期待値は期待値の和」とを用いて(同時分布を参照)、標本平均の平均(期待値)は、
となり母平均mに一致します。また、(母集団の分散)であって、各抽出が復元抽出で独立なときには、を用いて(確率分布を参照)、標本平均の分散は、
となり母分散のになります。標本平均の標準偏差はで母標準偏差σです。
注.標本分散の平均は母分散と等しくないので注意してください。
標本の大きさ
nが充分に大きい場合に、二項分布を近似的に正規分布と考えることができるので、母平均m,母標準偏差σとして、標本平均は、近似的に正規分布に従います。特に、nを限りなく大きくしていくと、となり、正規分布曲線は平均mのところに集中するようになります。言い換えると、
大数の法則:母平均mの母集団から抽出された大きさnの標本の平均について、任意の正数εに対して、となる確率は、

大きさNの母集団の中で、ある条件Cを満たすものが個あるとき、を条件Cの母比率と言います。この母集団から大きさnの標本を無作為に抽出するとき、条件Cを満たすものが個あるとき、を条件Cの標本比率と言います。この個数は、二項分布に従います。として、標本比率の平均(期待値)と分散は、より、

標本の大きさnが充分に大きい場合に、二項分布を近似的に正規分布と考えることができるので、標本比率は、近似的に正規分布に従います。


母集団
(母平均:m,母標準偏差:σ)から大きさnの標本を抽出するとき、標本平均の平均(期待値),標本平均の分散:
標本の大きさ
nが充分に大きい場合に、二項分布を近似的に正規分布と考えると、標本比率は、近似的に正規分布に従う。




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