防衛医大数学'09[1]

曲線上の点Pにおける接線と法線をそれぞれとする。曲線と接線y軸で囲まれる部分の面積を,曲線と法線y軸で囲まれる部分の面積をとする。ただし、のとき、とおく。
このとき、以下の問いに答えよ。

(1) 接線と法線の方程式を求めよ。
(2) pを用いて表せ。
(3) を求めよ。


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解答 (1)(2)は標準問題ですが、(3)の極限を求めるところで苦労させられます。接線と法線については、接線と法線の公式、面積計算については、定積分と面積(その2)を参照してください。

(1)
Pにおける接線
......[]
Pにおける法線
......[]

(2) より上に凸な曲線で、接線は曲線から上に来ます。
のとき、
 (不定積分の公式を参照)




......[
]
のとき、
......[]
のとき、において法線は曲線から上に来ます。のときを含めのとき、


のとき、において法線は曲線から下に来ます。
結局、,いずれであっても、
......[]

(3) の極限は、の形が悪いので、はさみうちに持ち込むことが考えられます。
の中にが出てきますが、例えば、において成立する不等式:
を利用して、のとき、より、
としても、
となり、のときに左辺と右辺が同じ値に収束してくれません。この考え方では、はさみうちの左辺と右辺が同じ値に収束する形を作るのが難しく、なかなかうまく行きません(この方法での解答は旺文社全国大学入試問題正解を参照してください)
そこで、
ロピタルの定理に頼ることになるのですが、ロピタルの定理は高校数学の教科書に登場しないので、証明なしで用いてもよいのか不安です。
本問では、問題文でわざわざ、「のとき、とおく」と指定されているので、以下のようにして、「ロピタルの定理より」という言い方を回避することができます。

pの関数において、より、
として、(2)の結果をpで微分し、
のとき、
のときは、

......[]


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