上智大理工数学'09[1]

極限値は自然対数の底eであり、その近似値はであることが知られている。ここでは、であることを次の手順で示そう。
(1) 自然数kに対して、であることを示せ。
(2) を二項定理を用いて展開することにより、
であることを示せ。


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解答 参考書などによく出ている証明をすればよい問題なのですが、いざ、試験場で自分でやってみなさい、と言われると、難航するかも知れません。

(1) 数学的帰納法で示します。
(T) のとき、
よって、は成立します。
(U) のとき、
 ・・・@
が成立すると仮定します。
@の両辺に
2をかけて、
のとき、より、
よって、のときにも、が成立します。
(T)(U)より、自然数kに対して、が成り立ちます。

(2) 二項定理より、

 ・・・A
さて、ここで目標とすることは、これが、3以下、つまり、先頭の1を除いた第2項以降の和が2以下であることを示すことです。
このために、Aの第
2項以降の各項が、初項1で和が2となるような等比数列の各項と比較できないか、考えてみます。
初項
1,和が2となるような無限等比級数の公比をrとすると、

となるので、Aの第項、つまりと比較します。(1)を用いて、より、


・・・・・・
となるので、Aの第2項以降について、
これよりAは3よりも小さくなり、
 ・・・B
数列の各項についてBが成り立つので、極限について、
が成り立ちます。


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