和歌山県立医大数学'09[3]

n4以上の自然数とする。このとき、次の問いに答えよ。
(1) のとき、不等式
を示せ。必要なら、 ()であることは証明なしに用いてよい。
(2) のとき、不等式
を示せ。
(3) を小数で表したときの小数第2位までを求めよ。


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解答 不等式を証明し、それを利用して近似値を求める問題です。
(1)(2)の不等式そのものは、左辺から右辺を引いて微分する、という基本パターンです(微分法の不等式への応用(その2)を参照)
ヒントで与えられている不等式、つまり、とするとき、数列が単調増加で
(従って)であることについては、極限の公式を参照してください。
(3)で、より大きい数は(2)を利用するとして小さい数はどうするのか?と思ってしまいますが、そもそも、示すべき不等式の右辺は二項定理を思わせる形をしているわけです。

(1)
とおきます。

ここで、ヒントの不等式をどう使うかを考えます。
 ・・・()
が成り立ってくれると都合がよいのですが。自然数lとすると、より、
のとき、
となり、()が成り立つことがわかります。これより、において、で、単調増加です。よって、
これより、は、において単調増加で、

(2)
とおきます。
よって、(1)より、において、であって、は単調増加です。

(3) のとき、を満たします。(2)で、として、

 ・・・@
一方、二項定理より、
においてなので、
として、
 ・・・A
@,Aより、
これより、を小数で表したときの小数第2位までは、 ......[]


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