北大理系数学'11年前期[5]
とする。に対して
と定める。
(1) を求めよ。 (2) となるxの範囲を求めよ。 (3) の極大値および極小値を求めよ。
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解答 難問というわけではありませんが、積分範囲が被積分関数の微分不可能な点を含むとき、公式を使って、
としても良いのか、という問題があります。根号を含むような関数、例えばのような関数は、根号内が0になるところにおいて微分不可能(微分・導関数を参照)なので、根号がつく関数では注意が必要です。
を考えてみます。
微分可能な関数がを満たし、がの前後で符号をプラスからマイナスに変えるとします。つまり、において,,においてだとします。となるとき、
・・・@ となるとき、
・・・A は、において連続なのですが、@とAでは、の符号が異なることに注意が必要です。一般的には、積分範囲内に被積分関数の微分不可能な点がある場合、(*)は使えません。
(1) の範囲での符号がどうなるかが問題ですが、であれば,であればです。従って、の範囲がを含むとき、つまり、のとき、となりますが、このときは、積分区間を分けて考える必要があります(絶対値を含む定積分を参照)。 (i) のとき、となるので、の範囲において、となり、です。よって、 (ii) のとき、上記より、においてはで、ですが、においてはで、です。積分区間を分けて、 ところで、は、 (i)において、
(ii)において、のとき、 なので、連続です。は、 (i)において、
(ii)において、
なので、やはり連続です。つまり、はにおいても微分可能です。以上より、 ......[答] 追記.公式:を使えば、 ・・・B となります。ですが、
のとき
のとき ()となるので、Bを解答としてOKです。但し、上記の問題点は隠れてしまいます。
(2) (i) のとき、 のとき、と(1)の結果より、となるのは、のときで、のとき、つまり、 ()のときです。 (ii) のとき、 のとき、と(1)の結果より、となるのは、のときで、なのでのとき、つまり、のときです。 (i),(ii)でとなる範囲は、境界のところでつながっていて、 ......[答]
(3) より、となるので、次の増減表が得られます。 極大値: ......[答] 極小値: ......[答] 注意.極大は(1)(2)の(i)の範囲に、極小は(1)(2)の(ii)の範囲にあります。
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