慶大理工数学'21[3]

nを自然数とする。1個のさいころを繰り返し投げる実験を行い、繰り返す回数が回に達するか、5以上の目が2回連続して出た場合に実験を終了する。下の表は、の場合の例である。例aでは、5以上の目が2回連続して出ず、5回で実験を終了した。例bでは、5以上の目が2回連続して出たため、3回で実験を終了した。

 1回目2回目3回目4回目5回目
a46121
b365  


この実験において、Aを「5以上の目が2回連続して出る」事象、非負の整数kに対しを「5未満の目が出た回数がちょうどkである」事象とする。一般に、事象Cの確率をCが起こったときの事象Dが起こる条件付き確率をと表す。

(1) のとき、である。

(2) のとき、である。

以下、とする。

(3) となるkの値の範囲は、と表すことができる。このnの式で表すとである。

(4) とおく。のとき、を求めるとである。また、とおくとである。


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解答 目の出方についてしっかり図を描いて、題意をよくつかんで解答するようにする必要があります。

(1) のとき、繰返し回数は最大回です。5未満の目がちょうど1回出る事象です。1, 2, 3, 4の目が出る事象(確率)を○、5, 6の目が出る事象(確率)を△で表す(△が2回続くと実験終了)と、
○△△  確率は、
△○△ 
確率は、
よって、 ......[]

(2) のとき、繰り返し回数は最大回です。5未満の目がちょうど2回出る事象です。
○○△△  確率 ・・・@
○△○△△ 確率 ・・・A
△○○△△ 確率 ・・・B
△○△○△ 確率 ・・・C
これより、
このうちで、事象
Aの条件:「5以上の目が2回連続する」を満たしに入るのは、最後の3回が○△△となる@,A,Bで、
よって
(条件付き確率を参照) ......[]

(3) なので、ということは、ということです。(2)では、になっていますが、それはCの場合、つまり、最後の3回が'○△△'になっていない場合があるからです。
'△△'で実験は終了します。また、△が3回続くことはないので、となるためには、最後の3回は'○△△'でなければいけません。
もっと言い換えると、,即ち、,つまりとなるのは、「
5未満の目が出た回数がちょうどkである」ときは必ず「5以上の目が2回連続して出る」ということです。
実験は最大回繰り返されます。○が
k回起こりますが、実験の最後の3回は'○△△'で、そこまでに○が回,△は最大k(△から始まって△と○が交互に起きて最後が△のとき)起きるので、
 ∴
これを満たす最大の整数k,よって、 ......[]

(4) (3)より、ですが、かどうかはわかりません。は、「5以上の目が2回連続して出る」かつ「5未満の目が出た回数がちょうどkである」確率です。
のとき、は、5以上の目が2回連続して出て、5未満の目が0回出る場合で、
△△ 確率,よって、
のとき、は、5以上の目が2回連続して出て、5未満の目が1回出る場合で、
○△△  確率 ・・・D
△○△△ 確率 ・・・E
よって、
のとき、は、5以上の目が2回連続して出て、5未満の目が2回出る場合で、
○△△   確率 ・・・F
○△○△△  確率 ・・・G
○△△  確率 ・・・H
○△○△△ 確率 ・・・I
よって、
の場合との場合を比較すると、Dの'○△△'の前に''が付くとF,'○△'が付くとGになります。Eの最初の△のあとに''が付くとH,'○△'が付くとIになります。''の確率は'○△'の確率は,合わせてとなっています。の場合との場合の間にも、という関係があります。
の場合との場合を比較しても、○の回数が
1回増えると、''のみ1回増える場合と、''''1つずつ増える場合とがあり、'''○△'合わせて確率がなので、となります。
以上より、は初項,公比
等比数列で、 ......[]

 ・・・J
 
() ・・・K
J−Kより、
のとき、より、
......[]



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