京大理系数学'05年前期[5]

kを正の整数とし、の範囲で定義された2曲線
, 
を考える。

(1) は共有点をもつことを示し、その点におけるの接線は点を通ることを示せ。
(2) の共有点はただ1つであることを証明せよ。


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解答 (2)は難問です。

 ・・・@, ・・・A とします。

(1) Aについて、 (商の微分法を参照)
Aの全実数xに対する増減表は以下の通り(関数の増減を参照)
x()
0
()

0
y1

Aにおいて、とすると、
全実数で考えたときのAのグラフと
x軸との交点は
従って、
kを正の整数として、において、

@について、
(k:正の整数) (微分の公式を参照)
のとき、のとき、
よって、はこの範囲において単調減少で、
2を通ります。
以上より、
2曲線は、この範囲において、共有点をもちます(右図参照)
この共有点
Px座標をtとします。y座標は、
 ・・・B
Pにおける接線は、
 ・・・C
Bより、
ところで、tも、を満たすから、であって、
これとBをCに代入すると、
 ・・・D
Dにおいて、とするととなるから、
共有点
Pにおけるの接線は、点を通ります。

(2) (1)だけでは、共有点が存在することは言えても、共有点が「ただ1つ」ということは言えません。右図のように、2曲線とも単調減少であっても、よじれるようになっている場合には、複数個の共有点が存在する場合もあるからです。
とおいて、が単調減少であることが示せれば、から、共有点がただ1つと言うことができます。
が単調減少であることを示すには、が言えればよいのですが、これは成り立ちません。この辺をきちんと調べていき出すと、大変なことになります。試験場では、早めに見限る必要があります。
増減から考えていくのでないとすると、@とAを連立した方程式から共有点を考えていくことになります。

@とAを連立すると、
これは、とても解けそうな方程式ではありません。
例えば、この範囲に
2tuをもつとして、
としてみても、矛盾点が出てきません。
この辺で試験場では行き詰まってしまうかも知れません。
こういうときに、一つ考えたいのは、
(1)を利用するのだろうということです。(1)では、共有点における接線が出てきます。ハハーン、接線を利用するのだろうな、ということになるわけです。
受験生の皆さんは、試験場で行き詰まったら、必ず、問題文を読み返して、見落としているポイントがないか、チェックするようにしましょう。

Dより、共有点
Pにおける接線は、
と書けます。この接線は(1)より、を通ります。
(1)のグラフより、において、x軸よりも下を通ります。ということは、共有点Py座標は負です。
は、においては、の部分を通りますが、においては、の部分を通ります。
共有点
Py座標が負ということは、共有点Pの範囲に存在しているということです。
Pと異なる共有点Qがあると仮定する()と、Dと同様にして、Qにおける接線は、
です。この接線もを通ります。
これが何を意味するかと言うと、点から、曲線の部分に異なる
2接線が引けるということです。
ところが、曲線の部分は、単調減少かつ下に凸なので、どうやっても、点から
2本接線を引くことはできません(関数の凹凸を参照)
従って、矛盾が生じるので、
Pと異なる共有点が存在するとした仮定は誤り、ということになります。
これで、共有点がただ
1つしかないと言えます。


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