京大理系数学'13年[3]
nを自然数とし、整式を整式で割った余りをとする。このときaとbは整数であり、さらにそれらをともに割り切る素数は存在しないことを示せ。
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解答 ちょっと見た目には難問か?という感じがしないでもないですが、やってみると易問です。以前の重厚な京大数学の面影は微塵もありません。
整式を整式で割ると、2次式で割るので、余りは1次式です。商を,余りをとします(多項式の除算を参照)。
ここでは、2次方程式の解 (とおきます)を代入してみるのが定石です。
こうして、本問は、2次方程式を利用した次数下げの問題に帰着します。
以下、数学的帰納法により証明します。
(T) のとき、より、,です。,ともに整数で、1と0をともに割り切る素数は存在しないので、題意は成立します。 (U) のとき、とおけて、,がともに整数であり、かつ、,をともに割り切る素数は存在しないと仮定(これは、数学的帰納法の仮定です)します。 (∵ ) 従って、,を、 , ・・・@ となるように決めれば、とおくことができます。
また、@より、,は整数です。ここで、,をともに割り切るような素数pが存在すると仮定(これは、背理法の仮定です)すると、, (,mは整数)とおくことができます。@より、 , ∴ ももともに素数pで割り切れることになり、数学的帰納法の仮定に反します。よって、「,をともに割り切るような素数pが存在する」とした仮定は誤りで、,をともに割り切るような素数pは存在しません。 (T)(U)より、nを自然数として、整式を整式で割った余りをとすると、aとbは整数であり、さらにそれらをともに割り切る素数は存在しません。
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